甄嬛は流朱から余氏が鍾粋宮から出され毎日甄嬛を呪っていると聞かされるが、時が解決すると相手にしない。
薬を飲んだ甄嬛は、最近薬が酸っぱいと口にする。
そして浣碧と二人して最近眠気がすぐに襲うようになったと笑う。
甄嬛は眠るため部屋へ戻ろうとする足を止め、浣碧に眠気がいつから始まったか尋ねると5日前くらいだと言い、おかしいと言い合う。
浣碧は、温侍医を呼んでくると告げた。
温侍医は、毒ではないが薬の量が少しずつ増やされているという診断を下す。
そして長期間服用すれば精神に異常をきたすと話し今後は自分が処方すると約束する。
甄嬛は、誰の仕業が突き止めると言い、薬は碎玉軒で煎じているので犯人は配下の誰かだと推測する。
そして温侍医に一芝居打つよう頼む。
槿汐は甄嬛に塀に新しく開けられた穴を見つけたことを報告。
それにより外部の者も関わっていることが判明する。
甄嬛は明日薬を煎じている所を見張り、不審者がいれば捕まえるよう頼んだ。
妃嬪達が集まる中、挨拶する沈眉荘。
皇后は労りの言葉をかけるが、華妃は今回の事があったから雍正帝が頻繁に見舞っていると嫌味を言う。
麗嬪も「落水すれば寵愛を受けられる」と言い出す。
皇后は「命に関わるのよ」とたしなめる。
華妃は甄嬛がいないことを理由を沈眉荘に聞くが、麗嬪は友情より寵愛だと言い、雍正帝が甄嬛を上書房に召したと明かす。
すかさず「友情などきれいごとにすぎない」と言う華妃。
小允子は見張っていたが近づいた者はいないと甄嬛に報告。
甄嬛は持って来た薬を一口飲むがすぐ吐き出し「やっぱり薬が」と言った。
甄嬛は土瓶の蓋の裏の色が濃いと怪しむ。
槿汐は、蓋が薬水を吸って色が変わり、そして薬を煎じる前に蓋をしておけば蓋に染みた薬の成分が混ざっていくのではないかと推測する。
早々に仕組まれていたことに気づいた甄嬛は、これらを管理していたのが花穂という侍女だと知る。
甄嬛は、小允子に土瓶を元の場所に戻しておくことと花穂について調べるよう命じた。
小允子が土瓶を戻している後ろから花穂が声をかけて来る。
土瓶が古いので取替えるよう言うが、土瓶は古い方がいいと話し効き目が薄れると言って拒む。
そして小允子は、薬を煎じるよう命じ去って行く。
花穂は、余氏のお付きだったが余氏が降格したことで甄嬛の元に来たと小允子から報告を受けた甄嬛は、花穂を呼ぶよう命じた。
流朱はついでに真っ赤に燃え上がる墨を持って来るよう浣碧に指示した。
甄嬛は、花穂を褒めた後「前の小主は誰?」と聞く。
主に恵まれなかったと言うものの名前を言わない花穂に
「余氏が降格されては確かに不遇だわ。
でも恩を受けたからこそ大それた真似をするのね」
と怒りをぶつける。
頭を床につけながらも知らぬふりをする花穂に流朱は真っ赤に燃えている炭に手を入れたら潔白を信じると言い放つ。
花穂は、手を入れようとするが入れられず、許しを請う。
花穂は、碎玉軒に来てから余氏に呼ばれ褒美をもらう見返りに指示を受けていたと涙ながらに告白した。
そして「薬を盛れ」と命じられ塀に穴を開け、余氏から指示がある時は穴に紙が入っているのだと白状する。
他に仲間はいないと否定する花穂だが、紙は余氏が入れたのか聞かれ言い淀む。
流朱は小允子に「手を炭に」と命じる。
花穂は「白状します」と言い、余氏の配下が一日おきに薬を穴に入れそれを受け取ると明かす。
そして一更に外でカッコウの鳴き声が二度したら応えるという合図があること、余氏の配下の者の手が男性であり右手に傷跡があったと話す。
甄嬛は、今夜の薬を取りに行く役割を槿汐に頼む。
甄嬛は「この件は眉荘さんに伝えないと」と言ったが、安陵容に対しては怖がりなので黙っておくよう流朱に指示した。
沈眉荘と甄嬛は余氏の配下が捕まるのを待っている。
屋根の上には小允子。
塀越しにカッコウの合図がやり取りされ、塀の穴から手がつき出されそこには薬が乗せられてあった。
余氏の配下の者は捕まり甄嬛らの前に突き出されたのは、かつて甄嬛に仕えていた小印子だった。
小印子は仕えているのは余氏だと白状した上で「太監は主に仕えるのみです」と言った。
そして康禄海と共に麗嬪に仕えていたが、康禄海は冷遇され自分には罪滅ぼしに余氏に仕えろと命じられたと明かす。
小印子が、余氏の指示だと白状したという報告を受けた甄嬛は、小印子を花穂と同じように閉じ込めておくことを命じた。
甄嬛は「後宮で暮らすのはそれほど難しいの?」と嘆く。
「私たちが追い詰めずとも向こうは命を狙ってくる」と沈眉荘は返す。
甄嬛はこの件を「雍正帝と皇后に報告しないと」と言ったが
沈眉荘は証拠は揃っているが
「陛下が情けをかけると水の泡だわ」
と心配そうに言った。
槿汐 は今のままなら余氏も命乞いできるが君主を欺けば死罪だと教えてから
「覚えておいでで?大晦日の夜、 倚梅園 で願掛けしたことを?」
と尋ねる。
華妃らが集まっている所へ周寧海が慌ててやって来て小印子が碎玉軒から戻らないと告げる。
麗嬪は、太監は根無し草なのですぐ口を割り、余氏も華妃の事を漏らすかもしれないと危惧し始末するよう進言するが、曹貴人は今動くとかえって目を引いてしまうので否認させましょうと言った。
余氏について命と引き換えなら裏切るかもしれないと懸念する華妃に曹妃は、一族は巻き込みたくないはずと付言する。
考え込む華妃。
雍正帝の元を訪れ帰ろうとする槿汐に「陛下は何と?」と心配そうに尋ねる蘇培盛に
「最後は蘇公公が頼りです」と答える槿汐。
それを聞き頷く蘇培盛、雍正帝の蘇培盛を呼ぶ声が養心殿から聞こえてくる。
余氏の元に太監たちが訪れ勅命ににより冷宮送りになったことが告げられる。
余氏は「陛下に会わせてよ」と言い、抵抗するが力づくで連れて行かれる。
雍正帝は、余氏の件を巡り巻き込まれた甄嬛に気遣いの言葉をかける。
そして自分を責める甄嬛に「違う」と否定してやり後宮の諍いが陰湿すぎると慰め花穂と小印子を死罪とし、余氏については冷宮で死ぬまで幽閉となると告げる。
余氏を怒らせ二人が死罪となったことについて罪深き身だと反省していると話すが、雍正帝は「そなたに罪はない」と声をかける。
甄嬛は、以前願掛けをしたと話出し
❝北風に心あるなら梅を散らすなかれ❞
と詩を口にする。
それを聞いた雍正帝は、いつどこで願掛けしたのか尋ねる。
甄嬛は「大晦日の日の夜に倚梅園で」と答える。
そして履物が濡れた話も持ち出した。
そして誰かに会ったか尋ねられ
「見知らぬ殿方に遭遇しました」
「声掛けはご法度なので宮女と名乗りその場を去った」
と答えた後「まさかあの殿方は?」と驚いてみせ「どうか無礼をお許しください」と膝を折りお詫びしてみせた。
雍正帝は「あの佳人はそなただったのか、人違いだったようだ」とうれしそうに話し、蘇培盛を呼び、余氏は妃賓の命を狙ったとし「自害を命じよ」と勅命を下す。
驚いてみせる甄嬛に雍正帝は「命だけはと情けをかけたがもう酌量の余地もなかろう」と話す。
甄嬛は倚梅園での願掛けに使った物を雍正帝に作り贈る約束をした。
そんな甄嬛に雍正帝は「朕とそなたの日々はずっと続く」と言ってやる。
華妃は、曹貴人が余氏の家族をなだめ話をつけている所だと麗嬪から聞かされる。
華妃は麗嬪に昔は曹貴人より寵愛を得ていたと話を向ける。
麗嬪は「曹貴人は娘がいるので雍正帝も会いに行くかと」と言った。
華妃は「そうね。娘でもいればいいのに」と寂しそうに話す。
安陵容は、甄嬛と沈眉荘の二人の空気を感じ取り「なぜ黙っているので」と問いかける。
甄嬛は花穂、小印子ふたりが死んだことで後味が悪く「苦しい」と打ち明け、沈眉荘の方はまたいつ同じようなことが起こるかと心配していた。
安陵容は「また協力して敵を討てばいい」と話すが「なぜ私に黙っていたのですか?」と尋ね、事の顛末は皇后から聞いたと明かす。
甄嬛は知らない方がいいと思いやるが「姉妹同然の私が何も手を貸せないなんて」と残念そうに言う安陵容。
甄嬛は「もう終わったことよ」と言ってやる。
安陵容は
「余氏は死を賜った
私たちを陥れる者は死あるのみ」
と怖い顔で言った。
そこへ余氏が陛下に会えなければ自害しないと言っていると浣碧が知らせに来た。
甄嬛は雍正帝は皇宮を離れていると言い、沈眉荘も皇后は寝込んでいるのでどうしようもないと話す。
浣碧は、華妃も体調が悪いことを理由に動きはないこと、余氏は陥れられたと毒酒の杯を払いのけ甄嬛を罵っていることを伝える。
それを聞いた安陵容は「遅いので失礼を」と言って去って行った。
安陵容は、冷宮に行ってみると言い出す。
侍女は不気味だと言って引き止めるが安陵容は冷宮に続く道を進んで行く。
余氏は太監たちに押さえつけられても抵抗し、暴れ叫んでいる。
蘇培盛も諦めるよう説得するがそれでも抵抗し続ける。
そこへ安陵容が現れ、驚く蘇培盛と小厦子。
安陵容は、甄嬛に様子を見て来るよう頼まれたと嘘をつく。
安陵容は、余氏に「嬛さんに薬を盛ったわね」と尋ねる。
余氏は認めた上で
「あの女が陛下を奪ったからよ」
「あの女を殺し生き返らせないよう体をむしばんでやる」
と悪態をつき叫ぶ。
安陵容が「恨んでも無駄よ、あなたは負けなのだから」と言い放っても自害を受け入れず抵抗する余氏。
安陵容は、北風の詩を口にし「彼女になりすますなんて恥知らずね」と非難する。
余氏はその言葉で大晦日の日に倚梅園にいたのが甄嬛だったとことを知る。
安陵容は、蘇培盛に長引かせると面倒なので決断するよう促す。
蘇培盛は「お任せを」と返事。
わざわざ冷宮に訪れた訳を「私も役立つとわかってもらいたかったの」と話す安陵容。
蘇培盛は余氏に「今まで随分太監を侮辱してくれたな」と言って小厦子を呼び
「前は我慢させたがもうその必要はない」と声をかけてやる。
小厦子は袖の中からひもを取り出し、泣き叫ぶ余氏の首にひもをかけた。
小厦子は余氏が死んだことを嬉しそうに甄嬛と沈眉荘に報告しにやって来た。
「指示があったので滞りなく」という小厦子の言葉に「指示?」と聞き返す甄嬛。
小厦子は「安答応の示唆により首を絞めて解決しました」と続けて答える。
甄嬛は「首を絞めた?」と驚き、沈眉荘も「本当に安答応が?」と信じられない様子。
小厦子は「誰も文句はありませんよ」と言い、沈眉荘は下がるよう言った。
沈眉荘は「陵容がそんなに残酷なんて」と話しかけるが二人がいる壁の向こうを安陵容が歩いており話を聞いてしまう。
甄嬛は「私たちのためよ、後宮である以上残忍でなければ自分がやられるわ」と言い庇ってやる。
沈眉荘は「わかっている」と理解を示しつつ
「でも陵容は何も関与していなかったのに自ら赴き余氏を殺すよう指示したのよ
普段か弱い陵容とは思えないわ」
と強い口調で話す。
それを立ち聞きし寂し気な表情の安陵容。
~随感~
そもそも女子三人グループはややこしくなりがちなのです‥。
控え目に見えた安陵容の、実は鬱屈した性格が見えた回となりました。
甄嬛の威光を笠に着て余氏の殺害を命じるという最低で残酷なことを冷静な顔でやり遂げる人でした。
安陵容からしたら自分には何も知らされてなかったことに疎外感を覚えて自分の存在をアピールしたかったのかもしれないけど「そのやり方、間違ってる!」と言う人がいればよかったのに。
安陵容こそ甄嬛にとっての槿汐のような人が必要だと思います。
こじらせ系の安陵容なので、結構はっきりした物言いをする沈眉荘の安陵容に対する言葉をどう受け止めたのだろうかと心配になりました。
そして沈眉荘と甄嬛の会話をたまたま聞いてしまうアンラッキーさも安陵容らしいなと思ってしまいました。
ようやく徐氏の悪運が尽きました。
雍正帝が余計な情けを掛けることで徐氏がまた延命するかもしれないと見抜く沈眉荘、さすがです。
実際雍正帝は命だけは助け、冷宮送りと決めていましたが、女性に甘くて弱い雍正帝の事なのでこの先どうなるかわからないと思います。
そこで力強い味方の槿汐が 倚梅園の件を持ち出し助言してくれました。
ただ徐氏は華妃の駒にすぎなかったので華妃グループとの戦いはまだまだ続きそうです。
最後に‥
今回とても印象に残ったのは太監達の心の内が描かれていたことです。
かつて甄嬛に仕えていた小印子が今度は徐氏に仕えるようになり甄嬛に危害を加える立場に変わりましたが「太監は主に仕えるのみ」という言葉を残しました。
確かにその通りで自分の本意に反しようが選択の余地はない厳しい立場ですよね。
そして徐氏を罰する時、蘇培盛の
「今まで随分太監を侮辱してくれたな」と徐氏に
「前は我慢させたがもうその必要はない」という言葉を小厦子に掛けたことにグッときました。
こういう所も描いてくれるドラマなのでますますハマりますね。