媚娘が現れてから見向きもされなくなったと嘆く蕭淑妃。
蕭淑妃は甘露殿に乗り込み「素節を見捨て武太妃をひいきし‥」
と訴えるが雉奴は激怒する。
そして蕭淑妃に雉奴の目を見るよう言い
「一度も欺いたことはないか」
と問い質す。
「一度もありません」
雉奴は「下がれ」と言った。
なおも食い下がる蕭淑妃に
「子を利用して朕を脅そうとするな
素節にもしものことがあればそなたを罪に問う」
と警告する。
王皇后は媚娘が現れ蕭淑妃と雉奴が仲違いしたことを喜んでいる。
しかし侍女から宮中で媚娘のお腹の子の父親が雉奴ではないか噂になっていることを聞き媚娘を追い出さないと災いになると侍女に話す。
王皇后は蕭淑妃を散歩に誘う。
二人で話をしている時雉奴も通りかかる。
近くで女官たちが王皇后を蔑むようような会話をしている。
傷つく王皇后はよろけそうになり雉奴が助けた。
そしてかんざしの貢物があるから一緒に見に行こうと王皇后を誘う雉奴。
だが途中で雉奴一人で別の場所へ向かう。
王皇后をかばい、誘ったのは皇后の尊厳を守ろうとしたからだった。
呉王からの奏上文には抜擢したい人物として薛万徹、柴令武、房遺愛の名が記載されていた。
雉奴は長孫無忌の
「呉王が要職に就いた時、房遺愛や柴令武らを抜擢しなければ
呉王への疑念は二度と口にしない」
という言葉を思い出し
「そちとの賭けに負けたようだ」と呟く。
王皇后の元に賢霊宮に仕える怜芝が密書を持って訪ねてきた。
そこには王皇后の父親から「怜芝を信用せよ」と記されてあった。
怜芝は蕭淑妃が媚娘を流産させるため竹林雅軒に送り込んだ緑芙に毒を盛らせたと明かし蕭淑妃を排除する機会になると話す。
しかしその話に乗らず怜芝を帰らせた。
王皇后は媚娘を流産させその後に蕭淑妃を追い込めばよいと考えていたからだ。
瑞安は媚娘のお腹の子の父親が雉奴だという噂が宮中に流れいることを明かした。
それを聞き驚いて立ち上がった媚娘は倒れてしまう。
見舞いにやって来た呉王と高陽公主は、侍医から媚娘には流産の兆しがあり、堕胎薬を盛られたようだと聞かされる。
そして下手人は媚娘に仕えるものかという問いに頷く侍医。
呉王は侍医から聞いた話を媚娘に話す。
媚娘の髪をすいている緑芙の手が震えている。
「あなたなの?」と聞く媚娘に
「命令に従っただけ傷つけるつもりは‥」
と言い自害した。
蕭淑妃を尋問する雉奴。
自分は潔白だと言い張る蕭淑妃。
雉奴が去ってから蕭淑妃は怜芝を殴り
「やり方が杜撰だからよっ」
と怒った。
媚娘はお腹の子が狙われたことで宮中を去る決意をし雉奴の許しを得た。
そして媚娘は高陽公主の誕生日の酒宴が終わってから皇宮を離れることになった。
高陽公主の誕生日の酒宴で酔っ払って悪態をつく蕭淑妃はその場から連れ出された。
雉奴から出されたお茶を飲み終え高陽公主と御花園へ散歩へ行こうとしていた媚娘は急にお腹を押さえ苦しみだした。
竹林雅林の寝台で眠る媚娘。
傍らには高陽公主と瑞安が付き添っている。
目が覚めた媚娘はお腹の膨らみが消えていることに気づき流産したことを知る。
雨の中、半狂乱になる媚娘を高陽公主は必死に慰める。
蕭淑妃は怜芝から侍医の大半は緑芙が眉墨を使って毒を盛り流産に至ったと言っているが、周侍医らは眉墨の使用期間が短いので流産にならないという考えを示しているという情報を聞く。
~感想~
タイトル通りの展開でとても辛い回。
媚娘のお腹の赤ちゃんが何者かにより流産させられてしまいました。
それを知った媚娘の半狂乱の姿は見ていられなかった。
もう少しで嫌な皇宮から出て行ける所だったのに‥。
緑芙による毒盛り工作は時間的に流産させられないようなので今回の件は蕭淑妃ではない別の人間の仕業ということになりますが、母親の立場にありながらお腹の中にいた赤ちゃんを亡き者にしようとしたり、弱い立場の李忠に偽証させたり許せないです。
寵愛を失った蕭淑妃は白装束で突然雉奴の前に現れるというサプライズ演出を決行するも裏目の結果に。
雉奴の寵愛を取り戻す為、勝負に出ましたね。
あれこれ考えた蕭淑妃は雉奴が好きでいてくれていたであろう大胆不敵な面を強調する演出を選びましたが、怒りを買いより一層気持ちが離れてしまう始末。
一度離れた気持ちを取り戻すのは難しい。
雉奴の場合、最愛の人媚娘が戻って来て皇宮にいてくれているのだから余計に無理な話。
多分同じ演出を媚娘がやったとしたら雉奴は奏上文を読んでいる途中であろうとうれしい気持ちになるんじゃないかと思います(喜ぶ姿が容易に想像できる、笑)
演出で何をするかじゃなく誰がやるかなんですよね、辛い現実です‥
この一件で寵愛を取り戻すことは厳しいと身をもって実感したであろう蕭淑妃の媚娘への行動がエスカレートしそうで心配です。
「子供を使って朕を脅すな」 雉奴が蕭淑妃に放った言葉ですが、雉奴、よく言ったと胸のすく思いがしました。
王皇后も媚娘の存在を疎ましく感じ始めました。
蕭淑妃の側に仕える怜芝が実は自分の父親が送り込んだ間者で(これにはびっくり!)、怜芝から蕭淑妃の毒盛りの企みを聞いても王皇后は、傍観者を決め込み媚娘、蕭淑妃共倒れを期待しています。
穏やか美人なのに雉奴から冷遇されている王皇后が個人的に好きだったのですが、変わり始めた姿を見てこれまで見てきた妃達と同じようになるんだろうなと思い悲しい気持ちになりました。
直情型で思慮が足りない蕭淑妃とは違って長孫無忌という強い後ろ盾を持ち何事も慎重に事を運ぶスマートな王皇后は厄介な存在になりそうです。
呉王は、長孫無忌の予想通り抜擢したい人物に房遺愛達を挙げてきました。
雉奴の呉王への信頼は揺らぎ二人の関係は変わって行かざるを得ないと思います。
いい関係を築いてきたのに警戒すべき相手となりました。
悪手を打ったことに気づいていないであろう呉王がもどかしくて仕方がないです。
これまで善良な姿で描かれてきた媚娘が流産という悲劇を機に変わっていきそうですね。
お腹の中で頑張っていた赤ちゃんの仇を討って欲しいと願ってしまいます。
またまた長々と失礼しました&お付き合い下さりありがとうございます。