素節にいじめられていた子を自分の部屋に連れて来てお菓子を振る舞う媚娘。
呉王は李勣に面会を求めるが断られる。
そして李勣から争いの地である長安から離れれば身は安全という言づてを聞いて悩む。
長孫無忌は、雉奴に呉王が長安に戻って来た李勣にすぐ会いに行ったこと魏王の配下だった房遺愛、柴令武らと親密であると明かす。
それでも呉王を信じる雉奴に長孫無忌は宮中に良心はなくあるのは勝敗のみですと諭す。
そして雉奴に賭けに出ましょうと言い出す。
呉王が要職に就いた時、房遺愛や柴令武らを抜擢しなければ呉王への疑念は二度と口にしないと言い雉奴も「朕もかけよう」と応じた。
媚娘は連れてきた子が皇子で名を李忠と言い母親は封号がないことを知る。
媚娘に罰を与えたい素節は怜芝から事実と異なることを主張するよう言われる。
帰って来た蕭淑妃は素節のお尻のアザが媚娘によるものだと聞き怒る。
媚娘は王皇后から「観菊の宴」に招待される。
李勣が呉王に会わなかったことに不満を述べる楊青玄。
そこへ雉奴がやって来た。
雉奴は呉王を要職に就けるので長安に留まり自分のそばにいるよう言った。
呉王は褚遂良を左遷したことを心配するがそれは許敬宗をを長安に戻す切り札にする為の策だと説明した。
雉奴はこの策を考えたのは媚娘だと明かし驚く呉王。
そして雉奴は李勣が長安に戻って来たことを話すが呉王は会いに行ったことには触れず初耳のような受け答えをする。
雉奴は兵部の人選を呉王に頼み呉王も承諾した。
早速、楊青玄は房遺愛、柴令武を選ぶよう呉王に薦める。
雉奴は王徳に呉王府に監視をつける勅旨を出した。
長孫無忌は褚遂良の左遷など最近の動きを不審に感じていた。
長孫沖は最近の媚娘の行動を報告する文を渡すがそこには毎日媚娘に奏上文が送られていることが記されていた。
媚娘と雉奴が親交を深めていることを警戒し先帝が築いたことは何一つ壊させぬと強く言った。
観菊の宴が開かれたが蕭淑妃はまだ来ていない。
王皇后は媚娘の為特別に刺繍させた「菊花の図」を贈った。
そこへ王徳が素節が病気になったので蕭淑妃は欠席すると報告。
雉奴は素節の下へ駆けつけ、素節のあざを見て誰であっても必ず罰すると怒る雉奴。
媚娘は雉奴から素節の体の傷について聞きたいことがあるので内侍監へ来るようにとの命令が出たことを聞く。
内侍監に着くと雉奴とその横に蕭淑妃がいた。
高陽公主は素節が媚娘のお腹にぶつかって来たから叱ったと説明するが、蕭淑妃は高陽公主はそれを見ていたわけではないと反論する。
そこで証言者として李忠が呼ばれた。
李忠は蕭淑妃の主張に沿う話をし媚娘が悪いかのように言いその後口止めされたと嘘の証言をした。
雉奴から釈明を求められた媚娘は釈明せず蕭淑妃に謝罪し自分に罰を与えるよう申し立てた。
雉奴は媚娘に承慶殿で一月経典を朗読して反省せよとの勅旨を出した。
軽い処分に雉奴が媚娘を守ったと怒る蕭淑妃。
雉奴は侍医に素節の傷は叩かれてできたものかと聞く。
侍医はそうとも限らないと話し、幼子に行血膏を塗ると殴打のようなあざができると答えた。
承慶殿で火を灯す媚娘。
そこへ雉奴が姿を現し、罰をすべて免除すると告げるが媚娘は断る。
雉奴は濡れ衣をかぶせた自分のことを怒っているのか尋ねるが
「宮中では太平は真相より大事」
「子を無事に生むためらなら濡れ衣を着せられようと構いません
陛下にも多くを望みませぬ」
と答える媚娘。
雉奴は
「すべてを背負うな
身重なのだから誰かに頼ればよいのだ
頼むから朕に世話をさせてくれ」
と告げる。
しかしそれを聞いた媚娘は「お戻りを」とだけ言った。
~我的感想~
呉王の先行きに暗雲が立ち込めてきそうな感じがする不吉回‥。
しかも罠に嵌められた訳ではなく呉王自ら墓穴を掘ることになりそうな嫌な展開です。
呉王は長安に戻って来た李勣に会いに行くが断られた上、争いの地である長安を離れれば身は安全という伝言を聞き一層悩むことに。
安全は保障されるが一地方で一生を終える、長安に残り雉奴を支え続ける、時機を見て皇帝の地位を奪う、呉王を見てるとこの間をグルグルと悩み続けているように感じます。
これまで長孫無忌から何を言われても呉王への信頼が揺らがなかった雉奴ですが、李勣が長安に戻って来た話を切り出し知らぬふりをした呉王に疑念を抱き呉王府に監視をつけるよう命じました。
雉奴からしたらこれまで信じフォローし続けてきた呉王に嘘をつかれたのだからショックだろうし不信感を抱き始めるのは仕方がないのですが辛いですね、長孫無忌の見立て通りになりつつあります。
太宗と共に権力を奪いにいった側の人であるだけにその執念深さはさすがです。
その上、任された兵部の人事をよりによって房遺愛と柴令武を推挙する楊青玄の案に同意してしまう呉王‥。
やっぱり上に立つより支える側の方がいいのではと思いました。
それにしても前からずっと呉王を焚きつけるばかりで強硬派の楊青玄が悪い方に追い詰めていきそうで不安です、悩み続けている実直な呉王が好きなので‥。
蕭淑妃が立場の弱い李忠に嘘の証言をさせ媚娘を陥れました(怒!
子供を利用したことが許せないです。
劉氏と李忠が幸薄い親子で気の毒でした。
雉奴の李忠に対する態度も素節と違い過ぎて雉奴の薄情な一面を見てしまいました。
承慶殿での媚娘と雉奴のやりとりは何度も見返したくなる切なくてやるせないでも素敵なシーンでした。
雉奴の真心のこもった優しい言葉が心に響いて瞳が潤む媚娘が美しくどう答えようか戸惑うところまでたまらないです。
でもうれしかったはずなのに時間を空けて媚娘から出た言葉は「お戻りを」という素っ気ない言葉‥。
媚娘からすれば色んな感情があるとは思うけどもう少し違う言葉を選んで欲しかった。
太宗の遺詔に従うことなく媚娘と赤ちゃんを守ろうとしてる雉奴を傷つけることにもなっていると思うので辛いシーンでした。
媚娘は雉奴に背を向けている状態なので雉奴の言葉に瞳うるうるの姿がわからぬままなのもやりきれないです。
でもこういうつかみどころがないタイプがゆえ男性は惹かれていくんでしょうか…。
あと雉奴と長孫無忌との会話で今となってはもう懐かしい李泰(魏王)が亡くなり承乾が重病を患っている情報を知り無常を感じました。
内容が盛りだくさんなので今回も長々と失礼いたしました。