武則天 #42 楊淑妃の真実

 

 魏王は皇太子に自薦し、自身への懸念を解決する為、我が子を殺めて雉奴を後継者にするつもりだとし疑うなら今すぐ息子を殺すと決意を語る。

李世民は屋敷に戻って沙汰を待つよう言い渡した。

魏王が去った後、李世民は長孫無忌、褚遂良、李勣を呼ぶよう命じた。

魏王は自身の作戦が成功したと確信し杜楚客と共に上機嫌で屋敷に戻る。

 

 大臣全員が魏王が皇太子になることに反対しその結果雉奴を皇太子とすることが決まった。

 

 人形を作っている雉奴の元に皇太子が決まったという知らせが入る。

そこへ楊青玄がやって来た。

 

 

 沙汰を待ちわびている魏王に勅旨が届く、内容は一か月朝議を免じるというものだった。

茫然自失の魏王は「なぜ私ではないのか」と叫んで倒れてしまう。

 

 雉奴を訪れた楊青玄は李世民が魏王の命を狙うかもしれないので今すぐ魏王の屋敷へ行きそのことを伝えるよう進言する。

 

 魏王が自滅したことで呉王の地位が安定したものになるとし淑妃は媚娘に礼を言う。

そして媚娘は明日皇宮を去るとし別れの挨拶を交わした。

 

 李牧の元に媚娘を守る為に来たと言う太監たちが訪れるが李牧は信用せずその者達を殺害し、急いで文をしたためる。

  

 魏王は皇太子になれなかったことに納得がいかず落ちこんでいるが急に息子たちを殺すと言い出し剣を持って飛び出した。

庭で遊ぶ二人の息子たち。

息子を呼び殺害しようとする魏王は、止めに入った者を殺害する。

杜楚客は息子たちに逃げるようにと叫ぶ。

逃げる息子たちを追いかけ剣で刺そうとした時、雉奴が止めに入る。

魏王は諫める雉奴を捕らえるよう命じる。

文学館の全員を招集し李世民の元へ行くと言い足早に向かう魏王達。

 

 淑妃は呉王を呼び出し魏王が兵を引き連れ雉奴を人質に李世民に譲位を迫ろうとしていると告げる。

 魏王を止め雉奴を助ける為出て行こうとする呉王を止める淑妃。

淑妃は隋の遺物である瑟瑟を見せ羽林軍にいる淑妃の息のかかった者に見せれば呉王に従うと告げる。

 話が理解できていない呉王に淑妃は、門を開け魏王を皇宮に誘い出して殺し、首を甘露殿に運び魏王の謀反を知らせ譲位を迫るよう提案する。

そして抵抗すれば李世民を殺し、ついでに雉奴も殺害しその罪を魏王に被せるよう迫る。

 謀反を唆す母に驚き声も出ず膝から崩れ落ちる呉王。

この時の為に本心を隠して李世民に接し、李世民を尊敬するよう教育してきたのも周囲を欺く為の偽りだったと知る呉王。

瑟瑟を淑妃に返し

「父のような明君になりたい」

「正当な手段で帝位に就きたい」

と言い放つ。

  淑妃は玄武門の変の話をし呉王が軽蔑する手段で皇帝になったことを暴露する。

淑妃は元吉の子を宿していた時、元吉が命を落とし首を晒されその後、後宮に入ったと明かす。

 そして隋を滅ぼした者をどう愛するの、「私の心にあるのは恨みだけ」と言い謀反決行を迫る。

 呉王は跪きながら

「母上私は父上の実子ですよね」

と尋ねる

「ここまで話させてまだ疑うの」

淑妃は叫び瑟瑟を投げつける。

呉王は瑟瑟を手に取り飛び出した。

 

 太監の格好をした媚娘が李牧の元へ。

部屋には太監達の遺体があり媚娘の荷物と置手紙が残されていた。

そこには淑妃が魏王に謀反を起こさせ玄武門に呉王を行かせる。

兄弟の争いが繰り返されようとしている、決して関わらず待つよう書かれていた。

 

 呉王は北宮門を開けるよう指示をだした。

そこへ媚娘が現れ

「呉王を救いに来ました」

と言った。

 

 楊青玄から計画通り事が進んでいることを聞かされた淑妃は

「遠慮ばかりの暮らしがこれでようやく終わるのね」

と話す。

 

 北宮門を開けた意味を見抜き、魏王の謀反を止め魏王に代わりに譲位を迫る、それは謀反で魏王と同じ行為だと責める媚娘。

 

~我的感想~

 怒涛の展開!

重い、重すぎる。

 

 淑妃が何か企んでいているとは思っていましたが、その根底にあったのは寵愛を奪い合うとかそういうレベルのものではない陛下に対する深い恨み。

陛下が彭婆との関係で苦しんできたようにここでも「玄武門の変」が原因となっています。

因果応報ですね。

 

 愛する夫であり、お腹の子の父である元吉を殺された上、首を晒すという屈辱を与えた男の元に仕えないといけなくなった淑妃のことを思うと怨みを捨てられなかったのは当然だと思います。

辛い日々の中、隋朝復活を心の支えにしないと生きていけなかったんだろうなとも思いますが、陛下を父親と思い育ってきた呉王にいきなり出生の秘密を明かし、謀反を起こすよう強く迫るのは残酷すぎるというか一番大事なのは自分の復讐心より呉王の事なんではないの?と思ってしまいました。

 

 呉王は、一度は返したものの再び淑妃から投げつけられた瑟瑟を今度は手に取り出て行きました。

えええ‥結局謀反を起こす気になったのとびっくり。

呉王は復讐の為というより皇帝になりたい気持ちを持っていたと思うのでそちらかなとは思いますが承乾、魏王に続いてまた無謀な行動に出る息子が一人‥。

 

 皇太子レースから脱落した魏王がおかしくなって雉奴を人質に謀反を計画。

 

そしていまだにお人形作りにハマっている雉奴が皇太子になるという、これはこれで大丈夫なのか⁉という心配事が尽きない展開になってきました。

 

もしかしたらこれまでで一番面白い回になるかもしれないと思いました。

謀反成功以外で淑妃様の心に平穏を‥と願うばかりです。