武則天 #43 李恪の選択

 媚娘は魏王を殺して甘露殿へ向かい李世民に譲位を迫った時拒まれたら父を殺すのか?雉奴を殺せるのかと呉王を詰問する。

廃太子の謀反の結果は?

なぜ同じ道をたどるのか?

媚娘は畳みかける。

「帝位を得ることは呉王の願いではなく呉王をここに来させた者の宿願では?」

媚娘の問いに

「心の底では私を止めて欲しいと願っているのかも」

と答える呉王。

媚娘はかつて魏徴に言われた

「前途がどうであれ悔いのない幕引きを」

という言葉を呉王に贈る。

「悔いのない幕引きか」

とつぶやき呉王の心は決まります。

自分が命令するまで攻撃しないよう言い機を見計らって雉奴を救うよう指示する。

 

 媚娘は今回の呉王の行動の裏に淑妃の存在があったことを知る。

 魏王と人質になっている雉奴がやって来る。

 北宮門が閉まり呉王が魏王の前に現れる。

雉奴は自分の横で脅している者の名を問う、その者は「李義府」と答えた。

雉奴は魏王に勝ち目がないとして縄を解くようそそのかす。

 

 呉王が魏王を北宮門で一網打尽にしようとしていることは李世民もすでに知っていた。

そして結果はここで待つと王徳に話す。

 

 李義府は雉奴の手を縛っていた縄を切り、雉奴は呉王の元へ走る。

雉奴を生け捕れと雄たけびを上げる杜楚客。

しかし弓が放たれ崩れ落ちる。

北宮門の上には矢を放った媚娘の姿があった。

 「武器を捨てよ

  そうでなければ命はないわ」

 その言葉に魏王が引き連れた者達は降伏。

 「武媚娘め」

魏王は門の上にいる媚娘に向け刀を投げつける。

 捕らえらえた魏王は

 「残念だが李氏が治める唐の天下は遅かれ早かれ武氏に滅ぼされる」

と不気味に笑いながら言う。

 

 李世民に呉王と媚娘が騒動を収めたことが報告される。

そこへ魏王が瀕死の状態であるとの情報がもたらされ李世民は魏王の元へ向かう。

 

 淑妃と楊青玄の元に呉王と媚娘がやって来た。

謀反を起こさなかった呉王を激しく責める淑妃。

そして媚娘に対しても「あなたのせいよ」と非難する。

呉王は家族は殺せないこと、穏やかな人生を送りたいと告げる。

 

淑妃は毒の入った飲み物をあおる。

呉王が淑妃を追い詰めたと責める楊青玄は、淑妃が謀反失敗を聞いて隋に殉じようと考えたと話す。

そして淑妃はこれまで媚娘に優しく接してきた理由を

 「なぜならあなたが太白星で女帝武氏だからよ」

 と言い

 「私が敗れてもあなたが皇宮にいる限り唐は必ず滅亡する」

 笑みを浮かべ話し、琺瑯の扇に毒を塗ったのも、李牧に送られた太監たちも自分の差し金だったと明かす。

 そして淑妃は李牧が李世民の首を狙うはずと笑いながら話すのを聞き、媚娘はその場から走って出て行く。

淑妃は血を吐きこの世を去る。

 

 瀕死の魏王が運ばれているという凌雲閣に着いた李世民

しかし寝台に寝かされていたのは魏王ではなく李世民を狙う刺客だった。

襲われる李世民、二人の刺客から首に剣を当てられる。

それを見ていた李牧は、隠していた剣を取り出しその剣を李世民ではなく刺客の腹に突き刺し始末するが、すぐさま隋復活を叫ぶ者達が襲ってきた。

李世民と李牧二人でその者達を倒していく。

そしてようやく味方の兵士達がやって来た。

 

 捕らえられた李牧は両親を殺された恨みを話すが李世民は以前何をしていようと水に流し罪は免じると告げる。

 李牧は媚娘を連れ皇宮を去ると伝える。

その言葉を聞いた李世民は激怒し、切り殺そうとするが媚娘が駆け寄り身を挺して李牧をかばう。

李世民は媚娘に邪魔だと言ったが、媚娘は殺さないで下さいと懇願する。

しかし李世民の怒りは収まらなかった。

 「朕は罪を免じたのに奴が死を望んだのだ、どけ」

 「すべては私のせいなのです。

  牧兄さんはすでにすべてを失っています」

 媚娘はなおも李牧の命乞いをする。

 

 李世民は「李牧を天牢へ」と言い残しその場を去った。

 

 李世民は淑妃を手厚く葬るよう王徳に指示する。

王徳は淑妃が刺客に関与していたことを懸念するが呉王の北宮門の選択に免じてやると言った。

そこへ長孫無忌と房玄齢がやって来た。

 

~我的感想~

 長年自分の復讐心を隠して李世民に尽くしているように見せかけ、いい人のふりをしながら裏で策略を巡らせ貴妃としのぎを削って来た淑妃が宿願を果たすことなく無念の死を迎えることになってしまいました。

 正直、後半に描かれていた媚娘と李牧のエピソードにほとんど心動かされることなく、淑妃&呉王親子に気持ちは持っていかれました。

 

 呉王にとっては謀反を断念したことで自滅の道に進むことなく良かったのですが、結構ずっと心が揺れていて一皇子として終わりたくないという思いを持ち続けているなぁと思いました。

謀反というやり方が納得できず今回は諦めただけで、いい子だけど頼りない雉奴が皇太子になることに納得しているのか‥気になるところですね。

 

 媚娘本人も気づいていない本性を見抜いていて早くから呉王に媚娘に近づかぬよう忠告したり、呉王の謀反失敗を見越して隋復活を望む者達と李牧を利用して李世民を倒すオプションを用意していたり淑妃、さすがだなと思いました。

淑妃好きだった私としては淑妃の人生と死は悲しくて辛く感じましたが、自分が用意した万策が尽きても媚娘がいる限り唐は滅びると確信して旅立つ姿を見ると淑妃様らしい最期だったのかなと思いました。

 対して無謀な行動を止めなかった魏王が案の定という結末に。

最後まで人のせいにして悪態をついてましたが、李氏唐の未来は見えてましたね(笑

 

 ここまでドラマを盛り上げ支えてくれていた魅力的な人たちがいなくなって寂しいです。

特に貴妃様と淑妃様のキャラ、美しさ華やかさ強さと弱さ‥演じた女優さんの凄さを感じました。

前回同様忘れられない回になりました。