武則天 #36 武如意と武媚娘

 貴妃は媚娘の裁きまで2刻あると聞き、自害したとしても誰も驚くまいと言い、春盈はすぐ手配すると応じた。

 

雉奴は淑妃に媚娘救出を願い出る。

そこに掖庭に入り込んだ者がいるとの情報を楊青玄が知らせに来た。

淑妃は令牌を持って雉奴と共に掖庭へ行くよう言い、そして「かの者」も連れて行くよう耳打ちした。

 

 朝議中、李世民は心ここにあらずな様子であったが急に立ち上がり

「媚娘を直接尋問する」

と言い掖庭へ向かった。

 掖庭に入れない雉奴と楊青玄。

李牧は獄丞を脅し中へ。

衛兵に腹を刺されながら戦う李牧。

掖庭に無理矢理雉奴が入ろうとしていた時李世民がやって来た。

その時媚娘は刺客に首を絞められていた。

すんでの所で媚娘を助けた李牧。

李牧は、媚娘を肩に抱え牢から出てきた所で李世民と出くわす。

剣を李世民に向ける李牧だが刺されたせいで立てなくなる。

李世民は媚娘を抱えながら、李牧を医師に見せ、「決して死なせるな」と言い残し去って行った。

 淑妃の元に運ばれたた媚娘。

媚娘を助けた兵について尋ねる雉奴に「李故」という名の新しく来た金吾衛だと教える

媚娘の後れ毛を恐る恐る直してあげる雉奴。

それをじっと見つめる淑妃。

 

 媚娘の殺害を失敗したことで春盈に怒る貴妃。

 

 見舞いに訪れた徐慧に謀反に不審な点があるとあると話す媚娘。

そして今回自分を助けてくれたのが李牧だと話す。

 

 李牧は媚娘に一緒に逃げようと誘う。

しかし媚娘は昔の天真爛漫な如意ではないとし「ここには…」と口ごもったが、李牧は

それが李世民のことだと気づく。

媚娘は一緒に逃げることはできないと言い、李牧に皇宮から逃げるよう言う。

 

 媚娘を探しに来た雉奴。

媚娘は雉奴に後継者の話を持ち出す。

媚娘は、後継者になることに全く関心も意欲もない雉奴に正室の子である雉奴が皇太子になれば争いは終わると説得するのだった。

 

~我的感想~

 今回もそれぞれの心の動きが描かれていて見応えがありました。

 朝議に出ていた陛下が急に媚娘を尋問すると言い出したのは、やはり媚娘が承乾と組んで謀反を起こしたと結論付けたことものの腑に落ちない所があったのだと思います。

 信頼と実績の陛下に安堵しました(笑

 李牧と陛下が気を失った媚娘を挟んで対峙する場面の緊張感、最高でした。

初めて二人が向き合った時、李牧の背景など何も知らない陛下ですが相手からただならぬ殺気を感じたと思います。

間近で刀を向けられても動揺することのなく指で軽く刃先を動かす姿は皇帝の威厳があってやはり凄い俳優さんだなぁと思いました。

 

 雉奴も媚娘を救うべく淑妃に助けを求めました。

憧れの人に触れ緊張して戸惑う雉奴が純粋でかわいかったです。

それを見ていた淑妃は雉奴の気持ちに気づいたでしょうしそれを今後の企みに利用しそうで心配です。

 

 李牧は媚娘に長安から逃れて共に過ごそうと提案するも断られます。

李牧だけ時間が止まってる気がして辛かったです。

唐の皇帝陛下に寵愛された経験をもつ媚娘が田舎生活に満足できる訳ないですからね。

李牧とのやりとりで嫌だったのは媚娘が雉奴を利用していると認めたことです。

思っていたより早くから雉奴の気持ちを利用していたのだと知りました。

企みを持つ者同士の欺き合いは同じレベルでの勝負だと思うのですが、純粋な気持ちを利用するのは嫌な気持ちになります。

媚娘も純粋な気持ちを利用されて傷ついた経験を何度もしているのに自分もそれをするのかと思いました。

そして意思も欲もない雉奴に陛下の跡継ぎになるよう勧めます。

雉奴が跡を継げば自分の身の安全は保障されたようなものですからねぇ。

いつまでも媚娘の死を諦めない貴妃様、まだ何か画策している淑妃、意のままになりそうな雉奴を軸にこれからどうするか策を巡らせる媚娘、これからも媚娘を陥れる気満々の徐慧‥生き残ってるのは怖い人達ということでしょうか。