媚娘は、瑞安に高陽公主の周りを調べるよう指示するが、なぜ高陽公主が安定を殺すのかわからないと嘆く。
高陽公主は酒宴を開いて酔いながら弁機が夢にも現れないと泣きながら嘆いていた。
憔悴する媚娘の元へ雉奴がやって来る。
媚娘はなぜ守ってくれなかったのかと雉奴を責める。
媚娘の心に蕭淑妃の言葉が浮かび、雉奴に対し
「下手人同然だ」
「先帝より勝ると証明したかったのか」
と責め立てる。
雉奴は「朕を恨んでも殺してくれてもいいが疑わないでくれ」
「媚娘を守り切れなかった。すまない許してくれ」
と抱きしめながら言うのだった。
長孫無忌は、呉王が長安に戻ってくる際、五千の精鋭を帯同させないよう雉奴に願い出る。
呉王が何か画策していると疑っていたのだが、雉奴は呉王の忠誠は証明されているとして取り合わなかった。
媚娘は高陽公主に相手にされない房遺愛に李義府を近づけさせるよう瑞安に指示する。
瑞安は、高陽公主が呉王と親しかったにも関わらず、呉王が宋州に行ってから音信を絶っているのは不自然だと指摘し、呉王を調べるべきかと尋ねる。
媚娘は、ある者が呉王の一挙一動を把握しており、調べる必要はないと答えた。
長安に近い場所で雉奴は呉王を出迎え、二人は再会を共に喜び合う。
安定公主の霊前に長孫無忌。
そこへ媚娘が現れる。
媚娘は、忠を皇太子のままにしておくことを条件に長孫無忌が呉王について把握していることを聞き出そうとする。
雉奴の元に承乾が病死したとの知らせが届き弔っているとそこへ呉王がやって来た。
雉奴に天子の威厳を備えるにはどうすればいいかと問われ
「本物の権力と威厳を得たいのなら殺すのです。恐れてはなりません」
「皆を陛下にかしずかせる方法は簡単なこと、私が命を差し出す」
と答える呉王。
献杯する時、雉奴は呉王が先に飲むまで口をつけなかった。
呉王は自分が死んだら承乾と同じように弔ってくれるか聞く
「その時が来たら供養する」
と答える雉奴に
「陛下の為に死して後已みます」
と呉王は言うのだった。
長孫無忌が、呉王が謀反を起こすのではないかと疑っていると知り驚く媚娘。
そして呉王はこれまで雉奴の命を救ってきたと反論する。
しかし長孫無忌は、建成も戦場で太宗の命を救ったと話し、血縁関係が近い者同士の権力争いは、命の奪い合いをするものだと言う。
そして長孫無忌から呉王が五千の精鋭を引き連れてきたことに疑念は湧かないかと尋ねられる。
長孫無忌は、呉王がいた安州に自分の配下である李恭を送り込んでおり、李恭は呉王に二心はないと突き止めた。
ほどなくしてその李恭が感業寺近くで雉奴を救う際死んだが、奇妙な死だったのだと明かす。
李恭は正面から刺されたのではなく、背後から鋭利で薄い匕首を使い一瞬で殺されたと告げる。
媚娘は、青玄が下手人ではないかと疑うが、長孫無忌は呉王が刀剣の扱いに優れていること、匕首を持っていることは周知の事実だとし、青玄は呉王の身代わりに過ぎないと
結論づける。
媚娘は長孫無忌の話を信じず、呉王に二心があるかどうかは自分で調べると返した。
長孫無忌は、呉王が謀反を起こすには軍だけではなく正当な理由で皇族たちを納得させ支持を得る必要があると言い、皇族で陛下を除いて他にどの皇子と公主が呉王と親交があり私的な往来がありますか」と問う。
ハッとした顔で長孫無忌を見返す媚娘。
媚娘と会っていた祟敬寺から出て来た長孫無忌を影から見張る房遺愛は、二人の密会を高陽公主と呉王に報告するよう従者に指示する。
媚娘は掖庭にいる王氏を訪ねる。
王氏は安定の首に手をかけたが安定が笑った為、手を離したと言い殺害を否定した。
「今日の痛みは始まりに過ぎない
黄泉の国からみているわ 地位に固執し大切なものを失う姿を」
と激しい恨みを媚娘にぶつけます。
媚娘は「死ぬ前に陛下を連れてきてあげる」
と高笑いしながら去って行く。
その帰り道、媚娘は高陽公主と出会う。
掖庭に行った理由を探る高陽公主。
媚娘は王氏は何も答えなかったと嘘をつく。
高陽公主の「そもそも菊花の糸に毒を含ませたことが事の発端なのに」という言葉に顔色が変わり事の真相に気づく媚娘。
高陽公主は蕭淑妃の娘2人は本来なら流刑になるがまだ幼いのでどうするか尋ねる。
媚娘は重病だと偽り二年間洛陽に置いてその間に二人の無実を雉奴に訴えることを決める掖庭に入れそれを媚娘の企てとするつもりだと打ち明ける。
去って行く高陽公主の後姿を恐ろしく、冷たい目で見つめる媚娘。
一方高陽公主は、媚娘を陥れるため蕭淑妃の娘2人を利用しようと企んでいた。
媚娘の元に皇后より前に金の刺繍に触れたものは高陽公主であったとの報告が瑞安からもたらされる。
~我的感想~
媚娘、長孫無忌、高陽公主それぞれが策を巡らせ牽制し合い、行動を監視していて互いの駆け引きに心奪われっぱなしの回でした。
前半のシーンで媚娘が雉奴を激しく責め立てます。
大切な娘が殺害されて感情がおかしくなっているのは理解できるけど「下手人同然」というはむごいですし、先帝どうこうのくだりも言うてはいかんのでは…と思いました。
蕭淑妃の心理戦にまんまとハマってしまいましたね。
媚娘は激しい性格で、ありのままの感情を言葉に出してぶつけるタイプ。
これが愛の告白とかならポジティブに働くことがあるかもしれませんが相手を責めるのにこのパターンはだめですよね。
廃后された王氏と媚娘の顔と顔を近づけた罵り合いは迫力がすごくて醜いです。
このドラマ前半の天真爛漫な媚娘はいなくなりました。
死ぬ前に王氏が心から愛する雉奴に会わせるなんて残酷すぎて‥。
長孫無忌との対面場面も緊張感がありました。
長孫無忌の話は果たして本当なのか、媚娘を陥れるためにミスリードしているのではないかと思いながら見てました。
虚実ないまぜの情報の中から取捨選択して物事を判断しないといけない、見誤れば立場や命が危うくなる、権力闘争はすごい世界ですね。
長孫無忌は本当に手ごわい。洞察力があり頭も切れますし深謀遠慮を巡らせています。経験も人脈もレベルが違うと思います。
媚娘の駒は小物で何かあったらすぐ寝返りそうな李義府ですからね。
それにしても媚娘の流産、安定殺害の首謀者の高陽公主はまだまだ先を考えて策を弄しています。
こちらも用意周到ですよねー。
でも媚娘が真相に気づいたことを知らない高陽公主。
ここから一段と面白くなりそう。
心配なのが呉王の立場。
相変わらず長孫無忌から警戒されている上、媚娘も長孫無忌と話しているうちに疑いの気持ちが強くなっている感じでした。
何より雉奴も呉王のことを信じ切れないままです。
しかも雉奴の態度でそれが呉王にも伝わっている感じが見てて辛い。
要約すると陛下の為なら死ぬ覚悟はできている発言をした呉王ですが、その本意は雉奴に伝わっているのかな。
どうなろうと自分の運命を受け入れる覚悟が出来てる呉王の今後が気がかりです。