武則天 #53 太宗崩御

 李世民は雉奴を枕もとに呼び寄せ後事を託す。

自分の死後李勣を長安に呼び戻し宰相に昇進させるよう言いそうすることで李勣は感激し雉奴の為に誠心誠意尽くすとしまた兄弟を厚遇するようにと伝えた。

そして役に立つ時が来るかもしれないと言って遺詔を手渡す。

遺詔を呼んだ雉奴は驚き本当にいいか確認し李世民は「さよう」と答え、遺詔のことは秘密にしておくように言い「とりわけ長孫無忌には」と付け加えた。

 

 最後に長孫無忌が呼ばれる。

李世民は媚娘を殺さないと約束して欲しいと頼む。

媚娘が感業寺へ行くよう勅旨を出し、政に干渉させないと言い「それでよいか」と確認、頷く長孫無忌。

 媚娘は李世民元へ急いでいる。

王徳が見守る中、李世民は宙に手を伸ばすがやがて力が抜けていった。

甘露殿前にたどり着いた媚娘。

甘露殿の中から王徳が出てきて外にいる大臣達に李世民崩御を伝える。

走っていく媚娘は兵に阻まれるが王徳の配慮で中へ。

そこには息を引き取った李世民が横たわっていた。

 

 承慶殿で蘭陵王の仮面をかぶり泣き悲しみに暮れる媚娘。

そこへ雉奴がやって来た。

抱き合う二人。

 

 徐慧はなぜ大勢の者が泣いているのか食事係に聞き、李世民崩御したことを知る。

 「これでようやくここから離れられる」

穏やかな顔で呟いた。

 

 李世民の位牌で霊を慰める徐慧。

そこへ媚娘がやって来た。

冷めた目で「まだ何か話すことでもあるの?」と聞く。

徐慧は自分の人生で唯一の友は媚娘だと言い「私を許してくれる?」媚娘の手を握り聞く。

媚娘は手を離し

「腕飾りは?」

と聞く。

「割れたの」

と答える徐慧。

二人の友情も一度壊れたら決して戻らないとし

 「あなたを許さない、永遠にね」

 「今生では二度と会うつもりはない」

と言って去って行く。

徐慧は泣きながら

 「媚娘 許してもらおうなんて思ってないわ

 ただ一目会って話が出来ればそれでよかったの」

と呟いた。

 

憔悴し横になっている媚娘に瑞安から徐慧が自害したとの知らせがもたらされた。

瑞安の手には徐慧が残した媚娘への文があった。

震える手で受け取る媚娘。

 「媚娘

  恩と恨みが交錯した日々を経て原点に戻った

  陛下とあなたがいない皇宮なんて私にとって何の意味もない

  陛下のあとを追うわ

  最後に頼みがあるの 

  新帝にお願いして私を陛下のおそばに埋葬して欲しいと

  昔 親友だったよしみで」

 

徐慧は「陛下あの世でお供します」

最後にそう呟いて吊るしてある白い布に首をかけた。

 

 媚娘宛の遺書と共に修理の跡がある腕輪が渡される。

腕輪に頬ずりして泣く媚娘。

 

 感業寺へ入って行く後宮の妃嬪たち。

そこには媚娘の姿もあった。

 

 瑞安は新しく皇帝となった雉奴に仕えることになる。

媚娘の代わりに自分が面倒を見ると伝える雉奴。

 

 弁機のお墓の前には高陽公主。

高陽公主は李世民が最期に媚娘と会えなかったのは罰を受けたからだと話しかける。

そして長孫無忌にも同じ罪があるとし媚娘を陥れる為、私から弁機を奪ったと怒りをぶつける。

高陽公主は長孫無忌が恐れる媚娘を何としても再び太極宮へ送り込んで敵を討つと誓う。

 

 媚娘は剃髪し感業寺での生活が始まろうとしている。

感業寺に無理矢理入って来て媚娘の名前を呼ぶ雉奴。

媚娘は

 「私は明空です」

 「お帰り下さい」

と言い去って行った。

 

 逃げる男に追いかける男達から矢が放たれ命中。

しかし傷負いながらも急いで「牛鐵酒坊」へ逃げ込む男。

中に入るとそこには殺された者達の遺体があちこちに転がっている。

急いで戸を閉める。

追ってきた男たちは「呉王からのあいさつだ」と告げる。

「呉王?」と男は呟いて急いで伝書鳩を放つ。

戸を破られ侵入してきた男たちに矢を射られ男は死んだ。

 

 呉王は釣りに興じながら酒をあおっている。

それをみてたしなめる楊青玄。

そしてその様子を見ている者達がいた。

 

~我的感想~

 とうとう偉大な皇帝・李世民が旅立ってしまいました。

そして陛下の死を知った徐慧は後を追います。

 これまで重厚な演技と存在感でドラマを支え続けてくれていた陛下がいなくなるのは寂しすぎます。

 

 最後まで媚娘排除にこだわり続けた長孫無忌に媚娘を殺さないと約束させました。

とはいえ皆の前で誓わせた訳ではなく媚娘を死に追いやる理由はいくらでも作ることができるので安心できないですよね。

 

 媚娘は陛下の死に目に会うことはかなわず、最期まですれ違いでこれまでの二人を象徴するかのようなお別れでこれはとても辛いシーンでした。

 

 徐慧は媚娘に遺書を残していましたがこちらも最後の最後まで徐慧らしさを感じさせるものでした。

 陛下から自害もさせないくらい恨まれたのに陛下の側に埋葬して欲しいと望みそしてそれを散々苦しめ貶めてきた媚娘に頼んだ上、結びで「昔親友だったよしみで」と書ける徐慧の厚顔無恥っぷりが怖くなりました。

 徐慧にしてみたら少女の頃から憧れていた陛下への愛を徐慧なりに貫いたということなのかな。

  

  私にとって陛下と徐慧お二人がいなくなるのは寂しすぎて大きなロスとなりそうです。

 メイキング映像で見たお二人も素敵な感じでよかったなぁ~。

 

 媚娘は出家することになりそこへ雉奴が押しかけて来ましたが媚娘のこととなるとめちゃめちゃ行動力がある雉奴(笑

 

 長く君臨した皇帝が亡くなると苛烈な権力争い起こりますが、お酒をあおっている呉王はやっぱり心の底では皇帝の座を諦めきれてないのでしょうか。

 呉王が心配になる締めで53話が終了しました。