武則天 #52 駆け落ちの結末

 房玄齢が駆け付けると長孫無忌から李世民の意識が戻っていないと聞かされる。

李世民に付き添う雉奴。

李世民は「文徳」とうわ言で言う。

 

 媚娘は高陽公主に対して李世民に会わせて欲しいと頼む。

 

 李世民の意識が戻り侍医から峠は越したと言われ甘露殿へ向かおうとする大臣たちだったが房玄齢が息を引き取っていた。

 

 李世民の見舞いに出かける為馬車に乗り込む高陽公主、馬車の中にはすでに媚娘が座っていた。

 

 媚娘は李世民と久々に再会する。

「またそなたに会えたな

 これが夢なら覚めて欲しくない」

媚娘は以前李世民に言われた質問である初めて人を殺めた年齢、体の傷などを答える。

 

 侯君集、房玄齢の霊を慰めている長孫無忌は、媚娘が李世民と過ごしていると報告を受けた。

長孫無忌は媚娘が李世民と会ったことで自ら死の道を選んだと霊前に話しかける。

 

 高陽公主から弁機と駆け落ちすると打ち明けられた媚娘は手助けをする。

 

 長孫無忌の元に李義府の背後にいるのが媚娘だとする文が届き、必ず媚娘を排除すると強く決意する長孫無忌。

そして高陽公主が荷物を抱え房府を出たことも知り高陽公主を捕らえるよう命じる。

長孫無忌は高陽公主と弁機二人を犠牲にして媚娘を追い詰める策を取る。

 

 高陽公主が待っている所へ弁機が到着した。

そこへ「弁機を捕らえよ」との声がした。

 

 高陽公主は李世民

「父は国の為に愛を放棄したかもしれないが私にはできません」

と言い弁機の助命を嘆願するが弁機は許さないと変わらなかった。

去って行く李世民

 「今日を限りに父娘の縁を絶ち親不孝者と言われても弁機と死にます」

と叫ぶ。

 

 戻った李世民は倒れた。

李世民は頭を強く打っていて油断は禁物と侍医から伝えられる長孫無忌たち。

 

 手を合わせお経を上げている弁機。

 「執行せよ」の言葉を合図に弁機は経を読むのをやめ正面を見据え、首を台に倒し目を閉じる。

剣が降り降ろされる。

 

 李世民は褚遂良を呼び出したがもう座っていることすらおぼつかない。

李世民は褚遂良、李勣、長孫無忌の三人は雉奴を支えてもらう為、朝廷に残すことを決めたと話す。

そして長孫無忌を陥れようとする輩は排除するよう申し渡した。

 

 高陽公主に仕えていた者全員が捕らえられた。

 

 長孫無忌は高陽公主の侍者たちの罪も重いとして全員を謀殺するよう李世民に奏上する。

李世民は長孫無忌に媚娘を殺さぬと誓ったことを忘れたかと言うが誓いを破って媚娘と会ったのは李世民の方だと告げる長孫無忌。

李世民は、やはり監視されていたのかと言い奏上文を投げ捨てた。

長孫無忌は忠誠心に変わりはなく自分の言動のすべては李氏が統治する唐を考えてのことだと李世民の手を握り言い

 「陛下に断言いたします

  武媚娘さえ排除すれば李氏唐は安泰です」

再び奏上文を手に承諾するよう頼む。

そして老臣たちが死ねば雉奴は媚娘の傀儡となると警告するのだった。

 

~我的感想~

 陛下崩御の時が近づいているようなのでそれが何より気がかりで寂しい気持ちになりました。

 

 陛下が意識不明の時、うわ言で言った名前は「文徳」でした‥。

媚娘が聞いてなくてよかったですが、やはり陛下の人生で文徳皇后は特別な存在だったんだなと思いました。

 

 高陽公主協力の下、陛下の意識のあるうちに媚娘と再会できたことにうるうるしました。

残された少ない時を密かに共に過ごせたらいいのにと思っていたのですが、二人が再会したことは早くも長孫無忌の元にもたらされていました。

老臣たちとの誓いを破ったこと、李義府と組んで長孫無忌を陥れようとしていたことも知られてしまい、媚娘を排除できる明確な理由ができてしまったことに。

 

 高陽公主が弁機と駆け落ちを決行。

破戒僧である弁機という人の魅力が全くわからず、むしろ何考えてるかわからない不気味な人というイメージしかないので駆け落ちが未遂に終わってよかったのではと思いました。

でも相手がどうであれ家の為に自分の人生を犠牲にすることを拒否して愛を選ぶと陛下にぶつける高陽公主のセリフはの現代の価値観で考えると共感できるので胸に響くものがありました。

 息子達のみならず娘まで‥最後まで子供たちに苦労させられた上、息も絶え絶え状態なのに長孫無忌から媚娘誅殺を認めるようしつこく求められる陛下という立場の辛さよ。

 媚娘を生かしていたら陛下や自分達老臣が死んだ後どうなるかよくわかっている、優れた洞察力の持ち主長孫無忌と衰弱していく中でもなんとか媚娘の命だけは助けてやろうとしている陛下のやりとりは見応えたあります。

いい所で大好きなエンディングの曲が流れました(笑

陛下が少しでも穏やかな最期を迎えられることを願うばかりです。