甄嬛からもらった浮光錦を身にまとう浣碧は一緒に歩く宮女に安陵容とどちらが似合うか尋ねる。
宮女が浣碧だと答えると「家柄が悪い者が着ても台無しよ」と言って颯爽と歩いて行く。
安陵容と歩いてた宝鵑は、浮光錦を着ている浣碧を見つけ安陵容が贈った物を侍女に与えたことを非難する。
安陵容はたしなめるが複雑な表情になる。
浣碧は甄嬛に御膳房から木薯粉をもらってきたと伝える。
皇后は、甄嬛に雍正帝が安陵容を寵愛し始めたことで ゆとりができたと話す。
そこへ侍女が猫を連れて来て皇后へ渡す。
甄嬛は驚いて怖がり猫を見ることすら避けている。
皇后は猫を抱くよう差し出すが、甄嬛はさらに怖がり立ち上がる。
皇后は「飼い猫に手を噛まれることもある」と思わせぶりに言って甄嬛の顔を見つめる。
七夕に合わせ暢春園で宴が開かれている。
斉妃が安陵容に余計なことを言ったせいで雍正帝の機嫌が悪くなり、華妃も
「常在のおこぼれにあずかりたいので?」と言い出す。
安陵容は「華妃のご指導に感謝の杯を」と言うが、華妃は何も答えず仏頂面のままだった。
甄嬛は小声で「酔い覚ましに外へ」と浣碧に伝え、槿汐と共に中座する。
槿汐は甄嬛に先帝が舒太妃のために建てたという桐花台を見るよう勧める。
そして舒太妃は寵愛を一身に受けたため出家し寂しく余生を送っているのだと明かす。
甄嬛は桐花台の景観も先帝と舒太妃の愛情も美しく儚いと言ってから、桐花台の中へ入って行く。
甄嬛は咲いている花を手に取ってみていると「花の名前を?」」という男の声が聞こえて来た。
驚いて振り向くとそこには果郡王がいた。
甄嬛が早く声をかけてくれたらよかったのにと責めると
「今日は浮かない顔だったのでためらった」と果郡王は答えた。
甄嬛が見ていた花は夕顔だったが、果郡王は幸が薄くなるという理由で後宮では誰も植えたがらないと説明した。
しかし甄嬛は夕顔は特別だと言ってから
「夕日に美しいから夕顔と呼ばれる、違いますか?」と笑顔で果郡王に聞く。
「私とて幸が薄いとは思いたくない」そう言って立ち上がった。
雍正帝は甄嬛がどこへ行ったか尋ねる。
浣碧は酔っていたため席を外していると答えると安陵容も横から
「甄嬛はお酒に弱いので」と付け足した。
果郡王は「こんな夜に貴人と私だけここにいるのも妙だな」と話すが
「夕顔を見ているだけです。」と素っ気なく答える甄嬛。
果郡王は「安常在は貴人が引き合わせたそうだが実は悲しんでいるのでは?」と聞かれ
甄嬛は硬い表情になるが「妃嬪は喜びを分かちあうものでしょう?」と笑顔を果郡王に向け言った。
「それもそうだ」
「貴人が寵愛を一身に受け他の妃賓に恨まれたら私の心が痛む」
果郡王の言葉に甄嬛は「感謝します」と返す。
果郡王は甄嬛が迷いを抱いているように見えたと伝えると「実にありがたいことです」と言って微笑む。
果郡王の「陛下は一国の君主だから仕方ないこともある。ご理解いただきたい」と話す。
果郡王は自分の立場を「煩わしさに束縛されることはない」と言ったところ甄嬛は
「大勢の女たちの夢に現れているのでしょうね」とからかう。
果郡王は「私は愛する者が一人いれば満足だ。多くの色香は求めない」と言ってみせるが、甄嬛に「言うが易し」と受け流される。
「愛する者が一人なら守ってやることもできる。心に傷一つつけやしない」
果郡王はきっぱり言い切った。
甄嬛は「将来の夫人は果報者ですね」と返す。
「陛下が貴人だけに寵愛を注がぬとよいが..今や寂しい生活を送る母の二の舞にならぬためにも」
と気遣う果郡王。
戻ろうとする甄嬛にこの前池のほとりで会った時酔っていたのは温宜の誕生日が母親の入宮した日であったからで感傷的になっていたからだと打ち明け頭を下げる。
甄嬛は覚えていませんと笑顔で返す。
去って行く甄嬛の後姿を見送りながら懐に手をやり巾着を出す果郡王。
宴に戻って来た甄嬛。
曹貴人は温宜が乳を吐いたので退席すると申し出る。
華妃は、心配する雍正帝に侍医によると病弱な体質と蒸し暑さが原因という診察を受けていたが、もう治ったはずだと説明する。
帰り際安陵容は甄嬛に温宜が乳を吐いたという話はおかしいと言い出す。
甄嬛も同調し、寵愛を得る為に子を利用したのではと疑う。
安陵容から甄嬛は長く寵愛されているので「お子を授かりますよ」と言われるが
「授からねば望み、授かれば心配の種が増える。こればかりは天命ね」と笑顔で返す。
端妃は最近聞こえて来る安陵容の歌声を聞くと純元皇后を思い出すと侍女に話す。
体調が思わしくなく座り込む端妃を気遣う侍女。
「子を産めぬ女など誰が構ってくれるのか」そう言って端妃は嘆く。
「心にあるのは恨みだけ。華妃のせいよ」
華妃はそう言ってからかつて薬に紅花を入れられ流産したが、その時の薬の味をずっと覚えていると話し涙ぐみ苦しみ出す。
侍女は端妃をいたわりながら「復讐の機会はあります」そう言い励ます。
端妃はその言葉にうなずき「人も必要だ」と言ってから
「ひと目彼女を見た時かにわかったのよ。彼女ならきっと手を貸してくれるわ」と続け笑顔になる。
泣き止まない温宜をあやす雍正帝。
華妃は焦っても仕方がないと言い、くわい餅を用意したから皆で食べることを提案し、雍正帝も賛同した。
雍正帝と皇后がくわい餅をたべている所に温宜がまた乳を吐いたという知らせが届く。
侍医は最近食べた食べ物を調べると言い、確認していく中でくわい餅に問題があるという結論を出す。
太監が調べるとくわい餅の中に木薯粉が混じっていることが判明した。
木薯粉は原料に毒物が含まれていて、製粉されれば大人には無害だが赤ちゃんの場合、嘔吐を催し死に至ることもあると説明される。
華妃は温宜は最近くわい餅を食べたが、その中に木薯粉が入っていたのだと推測する。
そして毒が入っていたのは御膳房の責任ではなく、誰かが故意に混ぜたのでは?と言い出す。
華妃は雍正帝にきちんと調べるよう願い出、雍正帝も大きくうなずく。
「再発を防ぐのです」そう言った華妃の視線は甄嬛に向けられていた。
華妃は木薯粉を配った記録を調べるよう指示し、受け取った者が下手人だと主張し、再び甄嬛に視線を向けた。
端妃は侍女から温宜が乳を吐いた話を聞くやいなや温宜の様子を見に行くと言った。
侍女は心配するが、端妃は「今まで追い風が吹かなかっただけ」と呟いた。
太監は四日前、甄嬛の寝殿が点心を作るからと言って取りに来たと皆の前で報告する。
顔を見合わせる甄嬛と流朱。
甄嬛はくわい餅を作るため浣碧が木薯粉を持ち帰ったと明かす。
そして木薯粉を取りに行ったのは浣碧だけだったことが判明したが雍正帝は
「それだけでは証拠にならん」と言った。
華妃が咳払いの合図を送ると周寧海が手で宮女二人を呼び出す。
宮女は甄嬛が七夕の夜、華妃のいる清涼殿に向かっていたと証言し、もう一人の宮女もその時槿汐が側にいたと証言した。
目を見張る甄嬛。
華妃はその時清涼殿には人気がなかったのでその隙をつくことはたやすいと言った。
そして「莞貴人、なんて残酷なことをするの」と言い、責める。
曹貴人も自分が甄嬛を怒らせたからだと加勢する。
甄嬛は「誤解です。陛下の誤解など生じなかったのに恨みましょうか?」と弁明。
続けて「それとも私に対し申し訳ないことがあるのですか」と聞き返した。
皇后は曹貴人に憶測の段階で泣き叫んだことをたしなめると華妃は皇后が甄嬛の肩を持ったと批判した。
皇后は「それがこなたに対する礼儀と言えるの?」とやり返す。
雍正帝は甄嬛に「言い分を聞く」と言ってやる。
甄嬛は事実無根だと言ったが、清涼殿の近くを通ったことは認めた。
それを聞いた華妃は甄嬛の所にだけ木薯粉があること、清涼殿へ向かう姿を目撃されていることを挙げてから温宜が体調を崩したことは偶然だといえないと責め立てた。
甄嬛は改めて身の潔白を主張し「信じて下さい」と雍正帝に訴えるが、雍正帝から清涼殿に入らなかったことを証明できる者、出くわした者がいないのか聞かれる。
甄嬛は「おりません」とだけしか言えなかった。
証明してくれる人がいなければひとまず謹慎させるしかないと言い渡された。
ふらつく甄嬛。
雍正帝はこの件はしっかりと調べると明言し「濡れ衣を着せぬとの約束だからな」と甄嬛に向かって言ってやる。
「信じております」
「少し我慢しておれ」
二人のやり取りに不満げな華妃。
そこへ「陛下、その夜莞貴人は私めといました」と言って端妃が現れた。
雍正帝はうれしそうに端妃に甄嬛と一緒だったことを再確認する。
酔っていた甄嬛を見てその後、端妃の寝殿に招待したと証言した。
華妃は「まさに恵みの雨ですね」と嫌味を言い、なぜその夜に限って家を出たのか尋ねる。
端妃は宴の竹楽器の音に誘われ外に出たと明かし「まさか莞貴人と会うとは」と甄嬛の顔を見て言った。
華妃は、甄嬛に端妃と会ったことをなぜ隠していたのか聞くと端妃が外出していたことを陛下と皇后が心配するから会ったことは他言しないよう約束していたと話し、
「公主の件については身に覚えのないこと。陛下と皇后なら信じていただけるはず。
端妃まで巻き込みたくなくなかったのです」と答えた。
それでも疑う華妃に端妃は「甄嬛と会ったのは二度目なのに嘘をついてまでよく知らない甄嬛をかばうかしら」と反論した。
何も言わず横を向く華妃。
雍正帝は立上り「立て」と言って甄嬛に手を貸してやる。
それを見て驚く華妃。
甄嬛はよろけるが立ち上がった。
皇后は足を侍医に見てもらうよう言い、雍正帝は「義理堅い女子だな」と声を掛けてやる。
皇后が先ほど証言した宮女に改めて確認すると「中に入ったかどうかは‥」と言い淀む。
雍正帝は皇后に任せると言い、「憶測だけで語る悪習は許さん」と言って去って行った。
甄嬛は帰り道、端妃の侍女に呼び止められた。
輿から降りた端妃は甄嬛を散歩に誘う。
甄嬛は助けてもらったことに礼を述べる。
端妃は自分の寝殿の前を通った甄嬛を見たと言い、時間的に甄嬛の仕業ではないと言い切ってくれた。
端妃は甄嬛に「狙いはあなたなのだからしっかり身を守りなさい。いつもこなたが助けられるとは限らない」と忠告する。
甄嬛が「時間がある時、あいさつに行く」と言ったが、端妃は会わない方が甄嬛のためになると返す。
「どうすればいい?」不機嫌な華妃は曹貴人に聞く。
曹貴人はこれ以上追及するより下手人を仕立て上げることを提案、それで解決するか疑問を抱く華妃は「こなたを巻き込まなければいいけどね」と言ってから
「うるさいわ、外であやしなさい」と怒り、すぐ戻って来るよう命じた。
温宜を抱き申し訳なさそうに頭を下げ「わかりました」と答える曹貴人。
~随感~
甄嬛が華妃&曹貴人コンビによって罠にかけられピンチにそして登場人物たちが背負っているものも描かれる超良回でした。
始まっていきなりなぜか自分に自信満々の浣碧。
やたらと安陵容をライバル視しているのも理解できず‥。
侍女と比べれば安陵容の方が身分上だし、安陵容の方がはかなげでかわいいと思うので
外見も‥と思いながらイキる浣碧を見てました。
自分が贈った浮光錦を浣碧が来ているのたまたま目にし嫌な思いをしてしまう相変わらず不運な安陵容、不運が重なりがちな私めとしては他人ごととは思えず安陵容が気がかりです。
果郡王と甄嬛が思いもよらぬ形で再会しました。
果郡王のあの態度はどういうこと~?となりました。
安陵容が寵愛を得たことに対する自分の本当の気持ちを言い当てられ、多情な雍正帝とは違う恋愛観を披露され、去ろうとしているのに話しかけてきて引き留めようとする。
雍正帝の恋愛ばかり見ていたのでこちらの二人はいい意味でドキドキして見てました。
甄嬛の方はこの状況をを誰かに見られたら大変だと心配していたと思うので素っ気ない態度でしたが‥(苦笑)。
くわい餅の罠始まる━。
曹貴人が自分の赤ちゃんを使ってまで罠を仕掛けてきました。
追い込まれて行く甄嬛に対し雍正帝は甄嬛を信じる立場に立ちながらもしっかりじっくり色んなひとの証言と客観的事実を吟味していった上でちゃんと調査することを甄嬛に約束しました。
ここに関しては雍正帝見直しポイントとなりました。
そして甄嬛の救世主となる端妃の登場!
甄嬛と一緒にいたというのは嘘証言ですが、端妃が甄嬛を目撃した状況から甄嬛が犯人ではないと確信した上での行動でした。
そんな端妃の、華妃に薬に紅花を入れられ流産したという悲しい過去が明らかに。
その時の薬の味を覚えているというセリフが辛すぎます。
端妃の復讐のために必要な人である❝彼女❞とは甄嬛だと思いますが果たしてそんな危ない橋を甄嬛が渡るかな。
でも甄嬛は端妃に大きな借りが出来てしまいました。
端妃がどういう意図で助けたのか果たして本性はどんな人なのか気になります。
華妃が端妃を流産させたことを考えると今回の件はまだレベル1くらいだと思うのでこれからもっと仕掛けてくると思います。
甄嬛の場合、沈眉荘にもたらされた謹慎・幽閉レベルで満足するような華妃ではないと思います。
華妃怖いな、でも展開としては面白いですよね。
早く次の回見たい‥