華妃と槿汐らが揉めている所へ雍正帝が現れた。
何事かと尋ねる雍正帝に華妃は「勅命に背いた者がいる」と答える。
そこへ甄嬛と敬嬪が現れ、驚く華妃。
甄嬛は敬嬪と一緒にいたと言うと「なぜここに?」と華妃は苛立った様子で聞く。
甄嬛は「なぜここに?ではどこにいると?」と笑顔で聞き返す
槿汐は甄嬛がこの場に現れたことに驚いたふりをし、沈眉荘に差し入れをしたと報告する。
雍正帝が華妃にここに来た理由を尋ねると「閑月閣に不審者がいたので調べに来た」と答えるが皇后の許可を得ていないことが露見する。
敬嬪は、中を調べれば華妃は報われ白黒つけられると提案し、甄嬛も沈眉荘がこれ以上罪に問われないためにも中を捜索するよう雍正帝にお願いする。
雍正帝は蘇培盛に中を見てくるよう命じた。
果郡王は本物の蓮の花を見たいと言い出して一人小舟に乗り湖に漕ぎ出す。
調べを終えた蘇培盛は雍正帝に中には沈眉荘と侍女の他には誰もいないと報告。
それを聞いた華妃は驚き跪いて雍正帝に詫びる。
雍正帝は華妃に指南役に戻そうと思っていたがその必要はないことそして温宜にも会わないよう言い渡す。
敬嬪は沈眉荘の周りにいる侍衛を減らすよう進言、雍正帝もそれを認めた。
雍正帝が甄嬛に「巻き込まれずによかった」と声を掛けると甄嬛は
「勅命に背いたりなどいたしません」と笑顔で応える。
それを聞き不機嫌な顔になる華妃。
雍正帝が去った途端、華妃は「早い所お前を排除するべきだったわね」と甄嬛に言い、怒りをぶつける。
受け流す甄嬛に
「計算高い女には決して容赦しない」と言い放つが
「それは娘娘の度量次第、後宮で生き残れるかは私の実力次第です」と言い返す甄嬛。
華妃は甄嬛の顔に近づき「先はまだ長いわ。今に見ていなさい」と言い捨て去って行った。
芳若は侍衛達に賄賂渡し、お茶を飲んでくるよう勧め、人払いをした。
甄嬛は小允子から甄嬛が出かけた後、浣碧が裏門から曹貴人の元へ行ったという報告を受ける。
華妃は浣碧が協力すると見せかけて陥れられたと激怒し、曹貴人も騙されたと申し訳なさそうに話す。
芳若の案内で甄嬛は沈眉荘と再会を果たす。
甄嬛は沈眉荘の冷えた手を泣きながらさする。
そして殺風景になった沈眉荘の部屋を見て妃嬪に対して失礼だと怒るが、沈眉荘は華妃が再起したので辛い境遇は仕方がないと話し、芳若がいなかったら耐えられなかったと明かす。
沈眉荘は雍正帝が安陵容を気に入ったことを聞き出し安心する。
沈眉荘は偽装懐妊の真相を甄嬛に尋ねられ疑われていると感じ悲しそうな顔になる。
寵愛を受けていたからいずれ身ごもることは出来たのに偽る必要はないと自身の関与を強く否定した。
甄嬛は故意に勘違いさせ証拠も用意されいたと呟き、全てが仕組まれいたことに気づき、華妃が指南役に戻れば自分と沈眉荘をますます苦しめるだろうと不安になる。
沈眉荘は甄嬛に何事も慎重にするよう忠告し、自分の二の舞にならぬようにと気遣う。
甄嬛は沈眉荘の両手を握り、雍正帝が沈眉荘の事を気に掛けていると励ますが、冷ややかに笑い、相手が皇帝であっても生涯支えて欲しいと願っていたがその認識が甘かったと話す。
甄嬛は真相がわかれば埋め合わせしてくれると再び励ますが、沈眉荘は
「これほどの苦しみは埋め合わせられやしない。寵愛しながら疑ったのよ
陛下は残酷すぎる。情など感じられない」と泣きながら話す。
うつむいて何も言えない甄嬛に
「今の話はあなたには酷な言葉だとは思うわ」と前置きしてから
「でも私だからわかる。君主の情とは一瞬なのよ」と言い切った。
何も言えず、じっと沈眉荘の顔を見つめる甄嬛に今厚遇を受けている甄嬛は、自分のようにはならないと言って気遣う。
そこへ芳若がそろそろ出ないと見つかると伝えに来た。
甄嬛は沈眉荘の手を握り「必ず救ってあげる」と約束して別れた。
甄嬛は周りを気にしながら帰っていたが見回りの者達の姿を見かけ物陰に隠れたが、こちらに近づいてきたのでとっさに近くに停まっているいる小舟へ逃げ込む。
そこにはまどろんでいる果郡王がいた。
小舟の音に気付いた見回りの者の「誰だ」という声が聞こえて来た。
甄嬛は果郡王に自分の存在を秘密にするよう仕草で伝え、甄嬛の頼みを承諾した果郡王は顔を出し眠っていたのを邪魔するなと言って去らせた。
果郡王はそのまま小舟で甄嬛を送り届けることにした。
甄嬛は舟内に漂う杜若の香りに気づく。
それは果郡王が持ち歩いている物だと知った甄嬛は「杜若は情の花。意中の方でも?」と言ってからかうが果郡王は何も答えなかった。
舟が揺れた際、果郡王が懐に入れていた巾着が落ちる。
甄嬛が拾うと巾着の中に入っていたのはかつて甄嬛が倚梅園で願掛けの際使用した切り絵だった。
驚き果郡王の顔を見る甄嬛。
だが果郡王は気づかず「ぼたん亭」の好きなくだりを引用して、情とは理由を問うても答えるのは難しいと語る。
「情愛とは自然と生まれるもの。郡王ならば得られましょう。
私めと陛下にも情愛があればよいのですが」と言い巾着を果郡王に手渡す甄嬛。
果郡王は「大切な品だ」と言って受け取り「失くせば悔いていただろう」と続ける。
甄嬛は大切な物ならば人前で見せないよう忠告し「災いになります」と迷惑そうな態度を取るが、果郡王は黙ったままでいた。
小舟が岸に到着し果郡王が先に降りる。
甄嬛は七夕の夜、そして今日会ったことは内密にするよう頼み果郡王も了承する。
果郡王は清涼台に招いて語り合いたいと誘ってきたが甄嬛は断り、下船を手助けするため差し出していた果郡王の手に触れることなく去って行った。
甄嬛が戻ると浣碧は心配していたと声を掛けてきたが、「何を?」と返す。
「小主の無事です」と答える浣碧に華妃が雍正帝に叱責されこと、温宜に会えなくなったこと、指南役の復帰が遠のいたことを明かしていく。
驚いている浣碧に「陥れようとすれば自分の首を絞める、そう思わない」と言って探るような目をする甄嬛。
浣碧は動揺しながらも素知らぬふりを続ける。
甄嬛は浣碧に雍正帝が果郡王と名乗った件を曹貴人に漏らし、今日の行き先を外に漏らす者がおり、だからこそ華妃が閑月閣に向かったと語る。
疑われたことに反発する浣碧に自分にだけ下賜された蜜合香を曹貴人に贈っておいたと明かし、曹貴人の所へ行ったから浣碧から蜜合香の香りがすると指摘した。
それでも否定する浣碧に香りがするかどうか確認するように言い、一度香りがつけば数日は染みついたままだと教えてやる。
「小主」と言って跪く浣碧。
甄嬛は浣碧が実の妹だということは入宮前、父親から聞いこと、そして浣碧を一緒に皇宮に連れて来たのはよい人の正室にするためだったと打ち明ける。
浣碧は曹貴人から寵愛されている甄嬛なら罪に問われても半月ほどのことなのでその間
甄嬛に似ている浣碧が雍正帝に近づけると言われたと白状する。
甄嬛は「彼女たちの狙いは私よ」と指摘し、雍正帝が甄嬛を嫌いになれば甄嬛に似ている浣碧も嫌われると教えてやり、殺されぬだけ幸運だと諭す。
浣碧はどうかしていたとようやく反省する。
甄嬛は後宮では浣碧を妹と名乗れないが浣碧が嫁ぐ時、父親が義父になれば母親の位牌を甄家の祠堂に入れることができ、浣碧の名前も族譜に残ると話す。
浣碧はそこまで思ってくれていると思わなかったと涙ながらに話し、許しを請う。
そして母の件は華妃たちに話していないと打ち明ける。
甄嬛は今回のことで華妃は浣碧を恨むだろうから今後は言動に気を付けるよう助言する。
浣碧は「こんな過ちは二度と犯しません」と誓う。
落ち込んでいる様子の甄嬛は槿汐に敬嬪について尋ねる。
槿汐は敬嬪について賢く慎ましく寵愛を争わないと評した上で、雍正帝は寵愛というより礼を尽くしていると推測する。
槿汐は今回のことで曹貴人が気になっていると言い出す。
華妃は気が短いが曹貴人は慎重な性格 、それなのに浣碧の報告をすぐに華妃に伝えたことに疑問を抱き、華妃が捜索するように曹貴人が仕向けたのではと怪しむ。
そして温宜の件は、曹貴人ではなく実は華妃の策でそれに曹貴人が恨みを抱いたとしては不思議はないと推測する。
槿汐は「向こうも一枚岩とはいかないようです」と言った。
浣碧は流朱に果郡王が蜀の地に行っていると話し出したので
「果郡王に嫁ぎたいの?」とからかう。
雍正帝は寝台の上で詞を読みながら皇后を待っていた。
詞のことはわからないという蘇培盛に
「皇后にもわからない。甄嬛なら語り合えるのに」と残念そうに話してから甄嬛に届け物をするよう言い付ける。
蘇培盛から雍正帝の贈り物を受け取る甄嬛。
中には雍正帝の直筆で
「腰に双綺の帯、夢に同心を結する」と書かれた紙が添えられてあった。
それを読みうれしそうな甄嬛。
皇后が寝台に着いた頃には雍正帝はすでに眠っていた。
剪秋から蘇培盛が甄嬛の元に同心結びを届けに行ったことを知った皇后は不愉快そうな顔になる。
そして華妃の近況について昼間だけで夜伽はないと知らされる。
皇后は寝ている雍正帝の手をうれしそうに握ってから寄り添い眠りにつく。
~随感~
甄嬛の反撃作戦成功。
浣碧が雍正帝に自分をアピールし出したというだけでなく深い所で裏切っていたことに気づいた甄嬛&槿汐コンビ最高です。
ついでに小允子も大切な役割をきちんとこなし信頼される太監となっています。
自分が追い込まれた時、信じることも救いの手も差し伸べることもしてくれなかったことで雍正帝の本性に気づいた沈眉荘。
セリフの一つ一つが辛いです。
寵愛を一身に受ける甄嬛は沈眉荘の言葉を聞いて私なら雍正帝は守ってくれると思ったのかそれとも不安になったのか‥。
うつむいて沈眉荘の言葉を聞いていただけの甄嬛の心の内が気になりました。
「私だからわかる。君主の情とは一瞬なのよ」この沈眉荘のセリフが重い。
そして果郡王との再会は単なる再会ではなかった。
それまでの重い気持ちがキャー♡モードに激変しました。
巾着はわざと落としたの?
自分の甄嬛への想いを告白してるよね?
その想いは本気なの?
と二人のやり取りを見ながら気になることばかりでした。
そして甄嬛に素っ気ない態度を取られ釘を刺されているのに清涼台に誘ったー!と目まぐるしく感情が動き楽しませてもらいました。
倚梅園で初めて果郡王が甄嬛を見かけたのは確か後ろ姿だけだったと思いますが、木に掛けられた切り絵を見て美しい人ということはわかったはずなのでその時から心に残る女性になっていたんですかね。
それにしても果郡王、陛下の寵妃相手に積極的すぎます。
あの雍正帝に知られたら命が危ないです。
浣碧に裏切りの数々を問うても知らぬふりをしていましたが蜜合香の仕掛けを明かすとようやく認めました。
妹ゆえ結局浣碧を許した甄嬛ですが往生際が悪く甄嬛の妹だという自分にとって不利なことは隠すような人間を側に置いて大丈夫なのかと心配になります。
そして華妃が閑月閣に捜索に行くよう仕向けたのは曹貴人の企みだと気づいた槿汐の洞察力に脱帽です。
そして曹貴人の曲者っぷりが不気味です。
最後のシーンで驚いたことが‥。
皇后がめちゃめちゃ乙女だったのです。
雍正帝のこと本当に愛してるんですね。
もう色んなことは割り切って妃嬪たちを仕切り、皇后という地位を守るべく日々過ごしている人だと思ってました。
これまで嫌と言うほど多情、好色、非情な雍正帝を見て来ているだろうにそれでもまだ雍正帝の手を握り本当に幸せそうな表情を浮かべて眠りにつくということは心から愛しているんだなと思いました。
ただ雍正帝の皇后に対する態度は甄嬛、華妃とは違うものなのは見ていてわかるくらい恋情はもうなさそうですよね。
雍正帝がわざわざ甄嬛に同心結びを送ったことを知った時の態度と雍正帝を想う気持ちの深さを知ると皇后も厄介そうです。