武則天 #33 すりかえられた紙片

 侯君集が凱旋し戻って来た。

李世民は侯君集と酒を飲み泥酔してしまう。

一方侯君集は酔ったふりをして承乾のもとを訪れていた。

 

 文娘は手巾に鴛の刺繍をしている。

瑞安が修理してくれた燭台を愛おしそうに触れ胸に抱く。

そこへ徐慧がやって来た。

文娘は徐慧が紙片に書いていた内容は色による解釈が逆であることを指摘し誰かを陥れる気なのかと聞く。

徐慧は媚娘を陥れたいと言い、それはずっと前からだと答えた。

 

 侯君集は必死で戦ってきたのは承乾の即位を後押しする為だったと話す。

承乾は今人望を失っていて頼れるのは侯君集と魏徴しかいないと話し、一か月後に皇太子を廃すると決めたら謀反を起こすと打ち明ける。

そして侯君集の力添えがあれば必ず成功すると言い謀反に参加するかどうかは数日考えて決めればよいと話す。

 

 徐慧は媚娘は琺瑯の扇に毒を塗り陛下を奪った、媚娘がいる限り陛下は私を愛してくれないと文娘に訴える。

そして媚娘を殺すのではなく陛下に謀反人として憎んで欲しいと話し、媚娘が書いた紙片を渡すよう迫る。

文娘は悪だくみの手助けはできないと拒否し、ここでやめないなら媚娘にすべてを明かすと言った。

文娘に見捨てられたと嘆く徐慧。

文娘にお茶を入れてきて欲しいと頼んだ徐慧は背中を向けた文娘の頭を燭台で殴りつけた。

倒れる文娘、そこへ瑞安がやって来た。

戸越しに文娘への愛を語る瑞安。

徐慧は声を立てないよう文娘の口を手で塞ぎまた殴る。

瑞安の名前を呼び、虫の息になっていく文娘。

 

 李世民は侯君集が東宮に入って行ったと報告を受ける。

宮中から出る為酔ったふりをして欺かれたことを知る李世民

同時に媚娘は東宮には行っていないものの品物を届けたことも聞く。

 

 莫氏を訪ねる徐慧。

文娘を殺したので何とかして欲しいと頼みに来た。

莫氏は浄初池で溺死に見せかけると引き受ける。

徐慧は魏王の指示通り紙片の書き換えを行ったと報告した。

 

 徐慧は文娘を殴り殺した燭台が自分の部屋にある物と同じだと気づく。

「文」の文字がついた燭台についた血を洗い自分の部屋に飾ることにした。

 

 李世民は侯君集が高昌国にで狼藉を働いたとして牢獄に数日閉じ込めるよう指示し、将軍の地位をはく奪し吏部尚書に任じることを決める。

これらは承乾に近すぎる侯君集への警告を意味していた。

 

 浄初池で文娘の遺体が発見された。

瑞安は文娘が誤って池に落ちたとされていることに疑問を抱き、殺されたのだと言い文娘の部屋を見せて欲しいと徐慧に頼む。

媚娘の口添えもあり瑞安は文娘の遺品整理ができることになる。

 

 牢獄にいる侯君集を訪ねる李世民

 

 文娘の部屋を訪れた瑞安は製作途中の鴛の手巾を見つけ泣く。

部屋の中にあるはずの「文」の文字がついた燭台がなくなっていることに気づく。

 

 吏部尚書を引き受けた侯君集、李世民は吏部尚書を重視していること、そして眼力を養い他人を許容する度量が必要だと言い聞かせる。

「承知しました」と応える侯君集。

 

~我的感想~

 殺害方法も愛する人が近くにいる状況で行われたこと何もかも残酷な文娘殺害。

 婉言の侍女だった為、皆から忌避されていた自分を侍女に指名してくれた恩を忘れず徐慧に仕えていたのに。

 

 媚娘に対しても狙いが命ではなくずっと陛下に恨み続けて欲しいという徐慧の底知れぬ怨念みたいなものを感じて純粋まっすぐ過ぎる性格が極端に走ると怖いなぁと感じました。

 

 鴛の刺繍が施された手巾を見つけた瑞安の姿が辛い。

瑞安への本当の想いを口で伝えることは出来なくなりましたが、手巾を通して伝わったと思うのでわずかな救いになった気がします。

 

文娘の死がショック過ぎて忘れそうになりましたが、承乾には強力な援軍侯君集がいました。

陛下は警告の意味で侯君集を牢獄に閉じ込め、承乾と会っていたことには触れず自分の考えを伝えた上でそれでも承乾と組んで自分に歯向かってくるのか見てみようという感じだと思います。

陛下のこれまでを見ていると一旦チャンスを与えそこで改めれば許すけどそうじゃなければわかってるなっていうタイプだと思うので、長く信頼関係がありそうな侯君集がどうするのか気になります。

やっぱり皆自分の地位に満足していないもんなんですね‥