貴妃に黙って乾祥宮を出て李世民に会おうとしたことを責める貴妃、詫びる蕭薔。
乾祥宮を出る手筈を整えた侍女はすでに殺し野狐落に埋めたと話す貴妃。
朝議におぼつかない足取りで参加する魏徴。
体調のすぐれない魏徴が朝議に参加した理由は承乾を弾劾させない為だと見抜く長孫無忌。
媚娘は魏徴と対面する。
媚娘は承乾が帝位の譲位を迫ろうとしていることを話す。
魏徴は譲位を迫ることには反対しないが兄弟を傷つけてはいけない、行動を起こすのは皇太子を廃すると陛下が決断してからだと伝えて欲しいと頼む。
そしてこの話を承乾に伝えれば謀反が起きる可能性は低くなり、逆に陛下に訴えれば恐ろしい結果を招くと警告し、媚娘が自分の言う通りにすれば皇太子、陛下、天下の民を助けることになると話すのだった。
そして皇太子を廃するかどうか、死ぬ前に李世民に聞くとし、出棺の際棺に黒絹がかかっていれば皇太子を廃するという意味、白絹であれば廃さぬという意味でそれを見届けてから決めればよいと言った。
魏徴は最後に「前途の吉凶がどうであれ最後は悔いのない幕引きを」という言葉を媚娘に残し、その言葉を反芻する媚娘。
媚娘は
白絹ならば廃さぬ
黒絹ならば廃す
と紙にしたためている。
そこへ徐慧がやって来た。
媚娘が書いた紙を見つける徐慧。
瑞安は文娘に修理した燭台を渡すがその底に「文」の文字が彫ってある。
「『文』の文字を刻んであるのは一つだけ。君の存在と同じだよ」
と思いを伝える瑞安。
「燭台傷つけるなんて」
と口では言いながら嬉しそうな文娘。
皇太子、李世民どちらにつくか尋ねる徐慧に魏徴の計略を皇太子側に伝えるのは皇太子の為ではなく李世民を守る為だと言い、白絹だったら何も起こらないが棺に黒絹がかかっていたら謀反の計画を李世民に訴えると打ち明ける。
そして徐慧は、魏徴の計略を記した紙片入りの贈り物を皇太子に届けるのは媚娘本人ではなく瑞安に持って行かせるよう提案する。
称心の墓を訪れる承乾。
そこに侯君集が凱旋し明日参内するという知らせが舞い込む。
瑞安から渡された燭台をうれしそうに眺める文娘。
徐慧は
黒絹なら廃さぬ
白絹ならば廃す
という媚娘が書いた内容とは逆の文字を媚娘の筆跡をまねて書いている。
徐慧は文娘に瑞安が東宮に届け物をするから紙片をすり替えるよう指示した。
文娘は不審がるが従う。
文娘は瑞安と偶然会ったふりをし瑞安が後ろを向いている隙に紙片をすりかえた。
瑞安は文娘に鴛の手巾を作ってくれないかと頼む。
しかし文娘は鴛の手巾を贈るのは結婚の約束をしたからで、結婚を迫るなんて図々しいと言われてしまう。
瑞安は東宮に媚娘からの贈り物を届けた。
媚娘は李世民と会い謀反の件を話そうとするが結局言い出せず、他愛もない話をしその場を取り繕った。
そんな媚娘を見て李世民は
「かつての媚娘は何でも率直に申した。
その頃のそなたの方がよい」
と言って去って行った。
皇太子が欠席する大典が開かれるがそこに侯君集が凱旋し戻って来た。
~我的感想~
魏徴が媚娘に残した言葉は承乾にも当てはまるのか譲位を迫ることに反対しなかったのは意外でした。
陛下の真意を死期が間近であることを利用して探り、死後行われる葬儀に使われる絹の色で知らせる案を提案する魏徴。
最後まで難しい性格の承乾に仕える意思でい続けようとする魏徴に心打たれました。
それにしても媚娘が徐慧に何もかも打ち明け過ぎで徐慧の企みの手助けをする結果になってます。
媚娘は魏徴から譲位の件を陛下に訴えれば恐ろしい結果を招いてしまうという枷を負っているので結局陛下に言い出せず。
ただ承乾と媚娘が会っていることはすでに知っている陛下からすると媚娘の不審な様子に「何か」を感じ取ったはずですし、魏徴と会っていたこともつかまれているかもしれない。
媚娘の行動は陛下を守る為なんですけど、徐慧情報を鵜呑みにして媚娘を疑っている陛下がもどかしいです。
瑞安と文娘の損得勘定のない純粋な恋の始まりと文娘にやりこめられている瑞安に癒されつつ、何も知らない二人を平気で利用する徐慧はますます業が深くなっていってます。