武則天 ♯62 武媚娘の作戦

  裵行倹が頭を打ち付けるという行動に出てまで媚娘の昭義冊立に反対。

どうしてよいかわからず動揺する雉奴。

 呉王は裴行倹の行動を止めさせ、後宮の事で朝廷を血で染めることは陛下を貶めることになると非難した。

 雉奴は裴行倹をその場から引きずり出すよう指示し、辺境へ流すことを決めたことで異議の声は出なくなった。

 

 媚娘を追い出せなくなったことで淑妃は皇后と媚娘を争わせて自分が利益を得ようと考えていた。

 一方皇后は、朝廷での一件を聞き何も言わなかった長孫無忌に疑問を抱く。

そこへ長孫無忌が訪ねて来た。

 

 雉奴は朝廷で助け舟を出してくれた呉王に礼を述べるが、呉王から媚娘の昭儀冊封に賛成できないと告げられる。

その上でそれでも雉奴を助けたのは弟を貶める者が許せなかったからでこの事は永遠に譲れないと言った。

 

 長孫無忌は皇后の地位を盤石にする為に今いる皇子の中から一人を選んで養子にする案を持ち掛ける。

そして養子になる者として李忠を推薦した。

皇后は長孫無忌の案を受け入れ李忠の母親の説得は自ら行うと約束する。

 

 池のほとりで遊ぶ李忠を見かけた媚娘は危ないと注意するが、媚娘を見た李忠は家へ逃げ帰る。

しばらくして媚娘が追いかけてやって来た。

李忠は以前嘘の証言をしたことを詫びていたが、そこに母親である劉氏が姿を見せる。

 劉氏は雉奴の臨幸が三日間あったがその後二度と来なかった為、一介の宮女に戻ったものの子を授かったことで孤独でなくなり満足に暮らしていると身の上を語る。

媚娘は困ったことがあれば自分の元を訪ねるよう伝える。

 

 竹林雅軒で媚娘を待つ高陽公主。

媚娘は高陽公主にお腹の子の敵を討つと言い皇后の座、雉奴の寵愛、皇后が大切にしているすべてを奪い取ると告げる。

そして許敬宗ら寒門の者達を支え、力をつけた上で朝廷で皇后を弾劾させるつもりだと打ち明ける。

媚娘は皇后らが養子を立てて対抗してくることを見通しておりその子が誰かは皇子たちを理解している人ならわかると言った。

 

 雉奴は媚娘に皇宮に留まる理由が何であっても待つ、媚娘の為なら何でもすると言うと媚娘は「これからもおそばを離れません。共に歩みましょう」と応えた。

 

 李義府は媚娘に付き従うと瑞安に告げる。

瑞安は李義府に許敬宗と接触できるよう頼む。

 

 皇子たちの剣術の稽古を眺めている呉王、そこへ媚娘が現れる。

呉王は、媚娘が昭儀になったことを咎める。

 「情愛は一時のもの

  権力は一生のもの」

媚娘の言葉に驚く呉王。

媚娘は流産の犯人が皇后で命で償わせるときっぱり言った。

そして皇后が誰を養子にすると思うかと尋ねると呉王は李忠を指差した。

劉氏は子を手放さないと見る媚娘に対し、呉王はかげろうのような存在である劉氏と李忠親子に拒める力はないと言い切った。

 

 媚娘と呉王が会っていたことは皇后の耳に入っていた。

皇后は二人の密会を雉奴が知ったらどうなるかと不敵な笑みを浮かべる。

そして李忠に会う算段を整えるよう指示する。

 

 皇后の元を訪ねることに躊躇している李忠を見て劉氏は同行してもいいか尋ねるが使者に冷たく拒まれる。

不安気な李忠は一人で皇后の使者と共に向かうことに‥。

 

~我的感想~

 昭儀になった途端、被り物の装飾が派手になりそちらに気を取られます(笑

 

 流産、先帝の無情の遺言を知るということを経験して媚娘が変わってしまったなと思う回でした。

則天武后への第一歩!?という感じになるのかなと楽しみです。

 

 高陽公主の本性が描かれ始めました!

媚娘の視界に入っている時は同情、心配して思いやってるような表情をするのですが視界から外れると冷たい醒めた目になるので怖いですが、女優さん素晴らしいです。

  

 媚娘と雉奴が抱き合うシーンで媚娘がウルウルした瞳で

「共に歩みましょう」

「おそばを離れません」

と言いますが、その言葉に胸いっぱいの表情の雉奴に対して媚娘は心に何かある表情です。

これからどうやって復讐していくかで頭と心はいっぱいなのでしょう。

媚娘の復讐に利用される雉奴を見ていると悲しすぎて辛い。

 

 呉王が媚娘に対して昭義になったことを責めるシーンで

「情愛は一時のもの 権力は一生」

と遠い目をして言う媚娘に呉王は驚きます。

「宮中に留まるのは誰かに脅されたのか

 ならば私が何とかします」

これは実直な呉王らしい言葉だなぁと思いました。

媚娘は流産の下手人が皇后であること

絶対に許さず復讐するつもりであることを告げましたね、ここまで打ち明けるとは呉王の事は信頼しているのでしょうか。

「先帝を裏切ってよいので?」

呉王からこれを言われた時媚娘は

「先帝?」

と冷たい笑顔で言うのですが、変わりゆく媚娘を感じることができます。

 それにしても「情愛は一時のもの 権力は一生」というセリフは

このドラマにふさわしい言葉だと思いました。

先帝をまっすぐ愛していた媚娘が辛い流産を経験し、あの遺詔を知り正気を失って辿り着いた境地。

 

 策略を巡らすことに必死になっている女性達がそれぞれどうなっていくのか、誠実で聡明なままの呉王、史実では‥なので今後どう描かれるのか気になります、楽しみです。