武則天 ♯66 深まる絆

 「謹んでお受けします」

李忠は皇太子に冊封された。

そしてその場で朝臣達は、李淳風の予言を蒸し返し媚娘を宮中から追い出すよう次々奏上、また別の者は追放ではなく死を賜るべきだと奏上し賛同する声が上がる。

しかし雉奴は、媚娘を信じていてそれは今もこれからも変わらないと宣言し解散を告げる。

 

 出産間近の媚娘を皇后が見舞いに訪れるが雉奴は、会わせない。

そして皇后がこの1年神仏に祈りを捧げていたことも全て知っていて心が汚れていると身に破滅を招くと忠告する。

 

 媚娘は無事男の子を出産。

喜び感激する雉奴は、李弘と名づけ代王に封じた。

多くの人を招いて宴を開いて大赦を行おうと話している時、雉奴は倒れてしまう。

 

 媚娘と子の死を祈祷している皇后の元に男子出産の報が届き、怒り散らしているところに蕭淑妃がやって来た。

皇后は手強い媚娘に対抗するため、とうとう蕭淑妃と手を組むことを決意する。

 

 庶民を装う者の荷車から荷物が散乱してしまいそこから甲冑や剣が見つかる。

長孫無忌、長孫沖立ち合いのもと捕らえられた者に拷問を用いた取り調べが行われる。

 

 高陽公主は、雉奴は媚娘を立后するつもりなので李弘を皇太子にするだろうと楊青玄に話し、そうなれば皇后と媚娘は対立し長孫無忌も反発それが私達の狙いだと明かす。

 そこへ長孫無忌らに捕らえられ者が、武器を運ぶ目的地は「落雲荘」だと自供したと房遺愛の使者から高陽公主の元に報告が入る。

楊青玄は、「落雲荘」は楊淑妃が買った土地でこれは長孫無忌の罠だと言い、

周到に策を練るより一か八かの勝負に出るべきだと主張した。

 

 媚娘は侍医から雉奴の病は、いずれ深刻化し最終的には一日中激痛に悩まされ

失明する不治の病だと告げられる。

 発症の原因は自分にあると感じ取り返しのつかないことをしたと自責の念を感じる媚娘。

雉奴は、中風は祖父、父も患っていたとし誰も悪くないと慰める。

そして媚娘を最も貴い宸妃に冊封したいと告げる。

 

 媚娘は瑞安から皇后と淑妃が密談していたこと許敬宗が長安に戻って来て媚娘に尽くすと話していたとの報告を受ける。

 

 落雲荘の一件を聞いた呉王に楊青玄は、先手を打って長孫無忌と雉奴を殺そうと提案するが良心に背くことはできないと拒否される。

 呉王は、自分自身の進退が窮まった時はどんな犠牲を払っても青玄を逃がすと伝えるが

青玄は死ぬまでおそばにいますと返す。

そこへ雉奴がやって来て呉王を左武侯大将軍に任命すると言い、呉王は感謝すると答える。

そして媚娘を宸妃に立てるのに一肌脱いでくれないかと呉王に頼む。

 

 雉奴に出す飲み物を用意している楊青玄は、笑みを浮かべながら隠していた毒物を杯に塗っている。

 

 長孫無忌は長孫沖に雉奴が媚娘の為に新たに妃を設けることを持ち出した場合

却下するようにと命じる。

そこへ落雲荘の持ち主が呉王だと判明したとの知らせに長孫無忌は羽林軍を呉王府へ向かわせるよう指示する。

  

 雉奴は、長孫無忌に対抗できるのは呉王だけが唯一交流を持っている李勣だとして一緒に尚書府へ行って欲しいと頼むのだった。

 

~我的感想~

今回の内容も盛りだくさんであらすじが長文になりましたが、これでも省いて省いてです(コンパクトにまとめる能力がなくて申し訳ないです)。

 

妊婦さん媚娘を見舞った時「陛下は短気すぎます」と言われた雉奴は

「やっと話す気になったか」とうれしそうに話しますがしばらく口をきいてもらえなかったんだなと微笑ましかったですし、

「国や命を捨てることになってもそなたたちを守る」

という言葉を聞くとかつての竹林雅軒でのシーンを思い出しました。

雉奴のずっと変わらぬ媚娘への想いでありそこに子が加わる喜びも感じました。

髪を下ろしてるファンビンビンさんがこれまた美しい。

他の女優さんもそうですがゴテゴテ髪飾りの盛り盛りヘアよりハーフアップのシンプルなヘアスタイルの方がきれいなのにな(元々皆様お美しいですが)。

 

媚娘は辛い流産を経て男子を無事出産。

今度は媚娘を守れた雉奴。

媚娘が無事出産した時、雉奴の後ろでうれしそうな顔をするチラ王徳さんも見所。

 

そんな幸せの中、雉奴が発作を起こし倒れてしまいます。

雉奴の中風の発症のきっかけがあの雨の中の出来事だったなんて嫌な伏線だったんですね。

 

それにしても

皇后→母子もろともに出血で死ぬように呪いの祈祷にのめりこむ

蕭淑妃→毒蛇、サソリを送り込む

二人とも怖いですが、特に皇后は狂気を帯びてきています。

劉氏の一件と媚娘の妊娠出産で優しかった顔つきも悪になり切れなかった性格もすっかり変わってしまいました。

徐慧さんコースですね、悲しいです。

 

 ますます呉王の立場が危うくなりそうなのですが、こちら側がやられる前に長孫無忌と雉奴を殺そうとか無茶な提案をする武闘派楊青玄。

呉王が焦ってそこに乗ることがなかったので一安心。

 呉王が何かあった時は自分たち親子の為に苦労をかけてきた楊青玄を逃がし道連れにしないと話した時、楊青玄は呉王の胸に飛びこみ死ぬまでそばにいますと言います。

かつて隋復活の動きに加わらなかった呉王を情けない!みたいな感じで責め立てていた楊青玄がいつの間にか呉王を愛するようになっていったのかなと感じるシーンでした。

 ただ楊青玄は、呉王の気持ちを無視して雉奴を亡き者とすべく杯に毒物を塗り塗りしてました。

最悪の展開です。

 

そしてこの回で最も印象的なのは雉奴と呉が向き合っている時雉奴が

「人生は短い

 朕は大切な人が苦しむのは見たくない」

と言います。

中風の発作が増してきて自分にいつ何があるかわからないと思ったのでしょう。

媚娘を宸妃に呉王を将軍に任命することなど大切な人たちを守るために決断し、さまざまな手を打っていこうとしています。

長孫無忌に押し切られてきた状況を変えようとする雉奴に感慨深くなりました。

 対する長孫無忌は、呉王府に軍を差し向けようとしています。

緊迫してきました、どうなるのでしょうか。