武則天 #67 思いもよらぬ刺客

 楊青玄が持ってきた飲み物を調べる王徳。

液体を調べて問題なしとするが、毒が塗られた杯は調べられなかった。

 呉王が雉奴と自分の杯を入れ替え飲もうとしているとそれを見た楊青玄は急いで杯を手で払い、隠していたナイフで雉奴を刺そうとする。

呉王が楊青玄の腕を突き飛ばして暗殺の試みは失敗。

呉王は雉奴に楊青玄の命だけは助けてくださいと頭を床につけお願いする。

それをみて楊青玄は呉王にあなたこそ天子だと言い立つよう叫び、護衛の者たちから逃れようとするが背中から刺される。

楊青玄は呉王の腕の中で「必ず皇帝になって下さい」と言い残して死んだ。

 

 媚娘は李義府に続いて許敬宗と組むことにした。

そして寒門の子弟を記録する書を作ること、中風を治せる治せる者、手練手管を弄せる者を探して欲しいと頼む。

 

 楊青玄の霊前に高陽公主がいる、そこに呉王がやってくる。

楊青玄が死してもなお呉王を煽る高陽公主の首に手をやりながら楊青玄と密かに往来していたことはお見通しだと言う呉王。

それでも高陽公主は、長孫無忌は呉王に対する疑いを強めるだろうと言い自分の考えに従うよう提案する。

それは雉奴に長安を離れさせてもらい1年後の先帝の命日に帰還できるよう頼めばいいというものだった。

 

 落ち込んでいる雉奴は自分の命を救ってくれた呉王を疑ってしまうこと李勣との面会を望んだが病を理由に断られたことを媚娘に話す。

 媚娘は実の兄であっても誰にも期待してはいけないと言い、自分自身に失望している雉奴を励ました。

 

 呉王からの文が雉奴に届く。

 

 雉奴は長孫無忌を利用して李勣をけしかけこちら側にとりこむ作戦があると媚娘に話す。

 それは李勣が担う軍務内に長孫無忌の勢力が拡大するのを雉奴が手助けすることで李勣が動かざるを得ない状況を作り出すというものだった。

そして呉王を宋州の都督に任命し密かに州内で勢力を拡大させ1年後に精鋭と共に帰還、その時こそ長孫無忌と関隴集団が朝堂から消える時だと話す。

 

 朝儀の場で呉王の宋州行きが決まる。

荷馬車から武具が出てきた一件は、楊青玄が本当の黒幕ということで落ち着き、呉王を謀反に問えなくなった上、呉王が長安を離れることなったことで今後どうするべきか思案する長孫沖。

長孫無忌は今の状況では呉王の不利な話に雉奴は耳を傾けることはないだろうと踏み、

雉奴の意向通り呉王を宋州に行かせることを容認しつつ宋州での呉王の一挙一動を見張るよう命じた。

 

 媚娘の皇后たちへの復讐心がどうなっているか探りに高陽公主がやって来た。

媚娘は復讐心を失っていないし策はあると言ったが内容を明かさなかった。

そこへ呉王の宋州行きが決まったとの報告が届けられるが、高陽公主は何も知らぬかのように振る舞う。

 

 呉王を囲む宴席で房遺愛達は呉王の宋州行きに憤慨し雉奴より呉王に追随すると言い出す。

そしてこの房遺愛の言葉は妻である高陽公主から持ち出すよう言われたものだった。

呉王が拒むことがわかっていながらなぜ言わせたのかと聞くと言葉には力があり心の中での考えを己でなくても誰かが口にすれば背中を押すというもの幻想でも実現する可能性が出てくると答える高陽公主。

 

 李義府は呉王がある者と密会していたと媚娘に報告。

李義府が目撃した呉王の密会相手は、李勣だった。

 

~我的感想~

 もう陰の主役は高陽公主なのではと思う程、策を弄しまくります。

 

 暴走した楊青玄が無残な最期を遂げてしまいました。

本当に一か八かの行動にでましたね。

無念な想いだろうけど呉王の腕の中で息を引き取れたのは救いなのかなと一瞬しんみりしたものの、楊青玄の行動は呉王を窮地に追い込むものなのであの世に行ってる場合ではないと思いました(笑。

 

 呉王は、楊青玄と高陽公主が共謀して色んな策を密談していたことを知っていたのでね。

そこは責めつつも結局呉王は高陽公主の案を丸呑みして雉奴に手紙を送りました。

高陽公主の策に乗ってしまって、嫌な予感‥。

 

 媚娘は高陽公主に復讐の意思は変わっていないと話しましたががその為にどういう策を取るつもりなのは明かしませんでした。

 媚娘は高陽公主を警戒し始めているのかな。

瑞安が呉王が宋州に行くことが決まったと媚娘に報告してきた時も高陽公主の反応を探ってるような目線でした。

 

 高陽公主は、房遺愛を利用して呉王の心の奥底にある皇帝になりたいという野望を刺激する策に出ました。

 高陽公主のこういうやり方、さすがですよね。

 高陽公主の言う通り、楊青玄の最期の言葉「必ず皇帝になって下さい」&房遺愛達の「呉王に追随します」は呉王の押し殺していた野望を再び刺激して後押しになるのかもしれない。

 それから高陽公主にあからさまに軽んじられ蔑まれてるのにも関わらず、すがるように必死な房遺愛をみてるといたたまれない気持ちになります。

愛する高陽公主の為なら駒になることもよしの心境なんでしょうか、高陽公主の怖さをわかっているのだろうか‥その怖さも魅力なんですかね。

 

最後に触れずにいられない、呉王役の俳優さんの楊青玄の様子を不審がるところから呉王の腕の中で楊青玄が息を引き取るまでの一連の演技が素敵でした。