雉奴は、独狐及から封禅の一件について弩に細工をして皇后の命を救ったのも許敬殿に密告したのも長孫無忌であるという報告を受ける。
そして雉奴は、長孫無忌の書きかけだという懺悔文を受け取った。
長孫無忌の残した懺悔文には、「関隴でも寒門でも一派独裁はなりません。均衡こそが‥」と記されてあった。
そこへ大理寺での供述記録が終わり次第長孫無忌が出発するという予定を知らされる。
全ての罪を認めた長孫無忌は、大理卿から「後悔していないかと」問われ
「罪は認めるが自分の行いには後悔していない」と最後に供述したという報告を受ける。
雉奴は、側近の太監を下がらせた後、涙ぐむ。
雉奴と媚娘はそれぞれ別の場所から長孫無忌の出発を見送った。
何を見ているのかと聞く侍女に
「旧友の見送りよ」と答える媚娘。
雉奴は
「伯父上、お心遣いに感謝します。ご安心を
伯父上の期待は決して裏切りません」
という言葉と共に見送った。
その後、長孫無忌は揚州から黔州に流された翌年縊死した。
媚娘は雉奴に健康であることを皆に知らしめるため新たな妃嬪を召すよう勧める。
渋る雉奴に陛下の心が自分にあれば妃嬪が増えても関係ないと言って納得させた。
媚娘は、かつて長孫無忌に人生で最大の望みは何かと問われた事を思い出すと語り
「私の願いは愛を惜しみなく注ぎ」
「大切な者にすべてをささげること」
と答えたと話す。
そして
「玉座に誰が座ってもこの皇宮は皇宮自身が主で、私たちは通りすがりの客人に過ぎない」と語りかける。
雉奴も策略家で皇宮を永遠には占拠できないと同調する。
「国を巡って起こる戦いや犠牲は私たちの代で終わらせたい。
私たちの子が何の苦労も抱かずくらしていけるように」
媚娘は雉奴にそう語り掛けた。
雉奴は忠が封禅の一件に関与していたこと楼の宴の暗殺対象が媚娘ではなく自分であったことがわかったと言い、
「今後媚娘を傷つけるものがあれば絶対に許さない、たとえ息子でもだ」
雉奴は寄り添う媚娘を抱き寄せながらそう明言した。
掖庭にいる忠の前に毒杯が差し出された。
太監から
「忠告を聞かず謀略を巡らしたゆえ、毒杯を賜りました」
と告げられる。
毒杯を仰ぐ忠は
「武后に伝えよ
泰山でお前の命を奪えず無念でならぬ
出来るだけ早く生まれ変わり必ず母の敵を取ってやる」
と恨み言を言い、復讐が果たせなかったことを母親に詫びながら死んでいった。
老いを感じ不安がる媚娘に「そなたが白髪頭になろうと疎んじぬ」と言う雉奴。
それでも悩める媚娘に雉奴は「朕にできるのは連れ沿うことだけだ」と語り掛ける。
政務を行っていた媚娘は瑞安からから洛陽にいる英国夫人が亡くなっという知らせを聞き、驚き立ち上がる。
洛陽にいる敏月を訪ねた媚娘は、姪の敏月を長安に連れていくことを決める。
長安に戻った媚娘は、雉奴に敏月を連れて帰って来たことを報告、敏月に合璧宮を与える許可を得た。
雉奴はこれから朝廷のことは二人で処理しようと言い、天皇、天后となることを提案する。
初めは拒否する媚娘だが「そなたは朕が持つ最も鋭利な剣である」と言われ受け入れることになった。
長安にやって来た敏月のための祝宴が開かれている。
遅れて姿を現した敏月。
媚娘は、病を抱える雉奴の世話を敏月に頼む。
その姿に見とれる弘。そしてその弘を感じ取る賢の姿があった。
雉奴の身の回りの世話をする敏月。
敏月は、雉奴が得意な影絵を教えて欲しいとお願いする。
そして二人は媚娘を題材にした影絵に興じている。
そんな二人を影から見ていた媚娘は、安心して声をかけず去って行く。
敏月が来てから雉奴の中風の発作は減っていた。
敏月の存在で頭がいっぱいになり勉学が手につかない弘。
そして弘は、敏月が父の妃嬪になるのではなかいかという話を聞いてショックを受ける。
~我的感想~
これから最終回に向けて嫌な予感しかしない展開。
一人の女性登場でテンションがダダ下がりです(笑
敏月が雉奴の後ろから目隠しして「だーれだ」みたいなのをするのですが、リアルに吹き出してしまいました。
敏月は女性陣からすると警報サイレンが鳴り響くタイプですけど男性からするとかわいい、かわいいから女子に妬まれてるんだな、かわいそう‥でまた一層惹かれていくという例のアレですね。
中国でもあざとい系を表すのはああいう感じなんだと妙なところで感心してしまいました。
敏月登場で男性達の空気が明らかに変わりましたよ!
真面目で純粋そうな弘が一目惚れ状態でした。
一目で恋に落ちたことが丸わかりでそれを腹黒そうな賢に察知されるタイミングの悪さ。
それから雉奴もキャッキャッした若い敏月を相手にまんざらでもない感じだし、何か生き生きしてないか?と突っ込みっぱなしでした。
雉奴に対する距離感が近いし、指切げんまんを利用しての触れ合ってみたり‥。
そして雉奴の大好きな趣味、影絵を持ち出し可愛く「教えてください!」と来ましたよ。
事前にリサーチした上での行動であり効果抜群のテクニック来ましたねとこれまた突っ込まずにはいられなかったです。
媚娘は長年愛されてるから自信があるんだろうけど、雉奴の敏月のあざと攻撃に対する反応を見ていたら安心していられない気がしました。
雉奴は、蕭淑妃、敏月タイプが好きなんだなと再確認。
長孫無忌が長安を去って行きました。
無忌の事を心のどこかで信じていた雉奴は、真相を調べさせて無忌の真意を知ることが出来ました。
感謝の気持ちで別れることができてよかったなと思いました。
そして門閥の人間を寒門側に接近したと見せかけた上で長安に残す戦略を取っていた長孫無忌さすがです。
しかもそれは門閥生き残りの為ではなくバランスを取る為のものだというのも素晴らしい。
この回のタイトルである「賢臣の幕引き」そのものでしたね。
何とか命だけは助けられた忠でしたが、懲りずに封禅の一件にも加わっていたことが露見し毒杯を賜ることに‥。