必ず敵を取ると李弘の亡骸に誓う媚娘。
狄仁傑は、全力で下手人を調べ出しますと媚娘に誓う。
明祟儼は、雉奴の病状についてこれまでの治療は水の泡となり、症状は悪化する一方で
手の施しようがないとの報告する。
それを聞いた媚娘は、天は私の希望をすべて奪い去っていったと嘆く。
朝議の場で膈兪は、媚娘を弾劾する奏上を遮り、外へ連れ出すよう命じる。
連れ出される途中にも媚娘を批判する膈兪に媚娘は、即刻斬首を命じた。
媚娘は、人形を彫っている雉奴の前に奏上文を差し出すが何の反応も示さない。
去ろうとする媚娘に膈兪を斬首に処した話を持ち出す。
もっと早く殺すべきだったと怒る媚娘に膈兪を殺しても弘は戻ってこないと言い、李賢を皇太子にする勅旨を出すと告げた。
悪夢にうなされる賢は、自分が何と口走っていたかを気にしている。
一人で座り外を眺め沈んでいる雉奴。
そこへ敏月がやって来て雉奴の肩に上衣をかける。
「媚娘」雉奴はそう言ったが、媚娘ではなく敏月であることに気づく。
雉奴が悲しんでいると思い様子を見に来たと言う敏月は、雉奴が行きそうな場所をすべて回ったと明かし
「私がそばにおりますので心の内をお話し下さい」
と語りかける。
李弘の思い出を話し悲しむ雉奴を慰める敏月。
敏月と話していたら元気が出てきたと言う雉奴の肩に持たれながら
「私はずっとおそばにいます」
と言うのだった。
明崇儼は、矢を放たれ命を狙われ倒れた際、矢を放った者が特徴ある指輪をはめているのを目撃する。
李賢の元に媚娘からだという「孝子伝」が届けられる。
それを見た李賢は、自分への叱責と警告だと言い放ち、不機嫌になる。
側近の者達も媚娘を非難し、李賢を支えると言って跪く。
だが実は送り主は媚娘ではなく雉奴だった。
雉奴付きの宦官は、媚娘に渡らないようにと言付かった奏上文を雉奴に渡す。
手を止め読む雉奴、そこには媚娘を弾劾する奏上文が添えられていた。
それを読んだ雉奴は、急いで出て行った。
影から一部始終を見ていた瑞安は、誰もいなくなってから媚娘を弾劾する奏上文を見つける。
そして奏上文には、媚娘が弘を毒殺、そして安定も媚娘が手にかけたと書かれていたと媚娘に報告する。
雉奴は、合璧宮を訪れていた。
そして敏月に奏上文の一件を打ち明ける。
敏月は、媚娘への誣告だと憤る。
雉奴がこれまで媚娘の後を追いかけてきたが疲れた、李弘が死んでから二人の距離は広がる一方だと話している途中、独狐及がやって来た。
毒を盛った宮女はその夜皇宮を脱出し、発見した時にはすでに屍だった、そしてその宮女とつながりがあるのは瑞安だという報告がなされる。
影から盗み聞きしている敏月。
瑞安捕らえなくていい、この件はここまでと独狐及に命じる雉奴。
独狐及が去ってから発作を起こした雉奴は
「なぜなのだ媚娘」
「本当にそなたなのか」
と叫ぶ。
発作を起こしている雉奴に
「ご安心下さい。私がいます」
と語り掛ける敏月は、雉奴に口づけをし抱きしめる。
宮女をきちんと始末したのかと趙道生に確認する李賢。
趙は「はい口を封じました」と答えた。
続けて李賢は、明祟儼がどうなったか尋ねる。
趙は、「明祟儼に逃げられた」と答え、本当に証拠をつかんでいるかと聞き返す。
李賢は笑いながら明祟儼、独狐及どちらが調べても行きつく先は媚娘と媚娘に仕える者だと言った。
趙は「それと今宵はもう一つ吉報が‥」と切り出すが、李賢はそれを制し、敏月が雉奴を合璧宮に留まらせたのだろうと言い当てた。
李賢は万が一の為、明祟儼を早めに始末しようと言い、それにうなずく趙道生。
明崇儼は、媚娘に自分が射られた矢を渡し、明祟儼が弘の死の証拠を得たという噂を方々に流したところ、案の定刺客が現れたと報告する。
明祟儼の苦労を労う媚娘に
「命をかけて天后様におつかえします」
と返した。
明祟儼は去ろうとして足を止め、媚娘の方を振り返り
「孫無生」という名を覚えておいて欲しいと言い、この名を知っているのは自分と媚娘だけだと言い残して去って行った。
雉奴は敏月の元に頻繁に通うようになり政務は媚娘に任せるようになる。
朝議を任された媚娘だが、朝議の場に病気を理由に李賢が出席していないことを不審がる。
李賢のことで大臣同士が争いをはじめる。
媚娘はその争いを一喝し、干ばつに苦しむ洛陽を救う策がある者がいないのか、いないのなからお黙りと激しく叱責した。
政務を執ろうと甘露殿を訪れた媚娘。
だが玉座には雉奴が座り、奏上文を処理している。
雉奴は朝議で怒った媚娘に対し自分の下には恐れることなく奏上文が届いていると言った。
媚娘は
「政務を私に託したのでしたらお気になさらず」
「敏月ともっと共にお過ごしください」
と返す。
それを聞いた雉奴は、
「敏月は昔の媚娘に似ていて情熱的であり純粋で傲慢なのだ
そして愛の他は何も求めぬ」
「だが媚娘、朕の心は‥」
媚娘は雉奴の話を遮り
「私に釈明する必要はありません」
と切り出し
「唐発展のため多くの妃賓を娶り子孫を残して下さい。
敏月をこれほど寵愛するということは私の進言を聞き入れた証拠で
むしろ光栄に思います」
と言った。
「そうか では合璧宮へ行こうとしよう」
という雉奴の言葉に驚き目を見張る媚娘。
そして合璧宮へ向かおうとする雉奴の背に向かって
「敏月に封号を与えれば正当な理由を持って毎晩、合璧宮へ通える」
と言った。
雉奴は振り返り「よかろう そうしてやる」と怒った顔で言い放った。
寂しげな媚娘。
雉奴は振り返りやり切れぬ表情で媚娘の背中を見つめる。
明祟儼が怪しい者から逃げ込んだ馬車の中ににいたのは李賢と趙道生。
驚く明祟儼。
明祟儼は、趙道生のつけている指輪がかつて自分を狙った者がつけていたものだと気づき逃げようとするが、趙道生に後ろから首を絞められた上、賢に小刀で心臓を突き刺される。
そして李賢は、瀕死の明祟儼に自分が弘を殺したと告白。
明祟儼は、最期に「天后様、孫‥無‥生」と言い残して息絶えた。
李賢は、趙道生に「孫無生」が誰か調べるよう命じた。
媚娘に呼ばれた敏月。
敏月は魏国夫人に封じられていた。
媚娘は私を恐れないで、これからも「叔母上」と呼ぶといいわと伝えるが、敏月は
「陛下は私のものです。
後宮の礼に背く名で呼ばせようとされては私が困ります」
と不機嫌な顔で言った。
~我的感想~
ちょっとしたことから媚娘と雉奴の距離がどんどん広がっていってしまう展開でした。
あと、雉奴ないわー!と何回心で叫んだかな。
敏月のペースに嵌まりまくりでした。
もう雉奴と媚娘二人に対して、はがゆさ、もどかしさを感じてしまう回です。
雉奴は案の定、敏月に陥落。そして合璧宮に入り浸りの日々。
しかも政務は媚娘に任せてしまいます。
弘を失って悲しいのは媚娘も同じなのに、政務をやらされ嫌ごとを言われた媚娘が素直になれないのはわかる気がします。
そして雉奴は弘の死に関して媚娘の関与を疑い始めます。
個人的には、恋愛の問題なんかよりこれが一番ひどいと思いましたね。
媚娘の激しさについていけなくなってきていた私ですが、さすがにこの状況には同情しました。
これまでの雉奴は、媚娘に激しい感情をぶつけられても自分の感情を押し殺して媚娘の気持ちを受け止め、なだめ、包み込んでいたのにそれがなくなってしまいました。
そしてそんな雉奴の変化に気づいているのに媚娘は媚娘のまま一層強気で返します。
姪ごときに嫉妬している自分を見せたくないというプライドなのか雉奴の自分に対する愛情に自信があるのか…
雉奴の媚娘に対する思いやりの心が見えなくなってきてこちらも胸が痛い。
媚娘は、平気なふりを装ってるのけど
「にわかに寵愛されていますし」
「これほど寵愛されているということは」
「寵愛を受ける敏月に」
と寵愛ワードを強調しててめっちゃ気にしてるやんと思いました。
女心ですね、切ない。
強気なことを言った後、雉奴が通り過ぎてから本心である悲しい顔になるファンビンビンさんの演技がよかったです。
この二人の激しいやりとりをハラハラした顔で見ている瑞安さんも見所です。
媚娘に復讐する為の利用目的で近づかれ、自分の大切な息子である弘の死に関わっていそうなのに寵愛して、敏月にだけ本心を吐露し、敏月を「愛の他には何も求めぬ」と評している雉奴が哀れです。
明崇儼がとうとう賢に殺されてしまいました。
媚娘の力になってくれていた人物だけにこの人がいなくなるのは痛いですね。
そして敏月は媚娘には本性を現し始めました。
媚娘と明祟儼しか知らない「孫無生」が気になります。